外壁塗装が「安すぎる」見積もりの中身
どこを削って安くしているのか。5つの手口を一級塗装技能士が解説
執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)
「A社は110万円、B社は75万円。同じ工事のはずなのに、なんでこんなに違うの?」
35万円も差があると、安いほうに気持ちが動くのは当然です。でも、同じ家を同じ工程で塗れば、材料費と手間はどの業者もそう変わりません。大きく安いということは、どこかを削っています。
この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、安い見積もりで実際に削られている5つの所と、その見分け方を、現場の目線で正直にお伝えします。
この記事の内容
1外壁塗装の費用は、何にいくらかかっているのか
2手口①塗り回数を減らす
3手口②塗料を安いものにすり替える・薄める
4手口③下地補修・シーリングを省く
5手口④「足場無料」のからくり
6手口⑤保証がない・中身がない
7安さの理由を1分で確かめる質問
8まとめ
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外壁塗装の費用は、何にいくらかかっているのか
まず、外壁塗装100万円の内訳を知っておくと、どこが削れるかが見えてきます。一般的な2階建て30坪前後の目安です。
| 項目 | 目安 | 削れるか |
|---|---|---|
| 足場 | 15〜20万円 | 削れない(法律と安全の問題) |
| 高圧洗浄・養生 | 5〜8万円 | 省くと塗料がくっつかない |
| 下地補修・シーリング | 10〜20万円 | ここが一番削られる |
| 塗料(材料費) | 15〜25万円 | グレードを落とす・薄めると安くなる |
| 塗装の手間(職人の人件費) | 30〜40万円 | 塗り回数を減らすと安くなる |
| 諸経費・利益 | 5〜10万円 | 業者の取り分。営業マンがいる会社はここが大きい |
つまり、30万円以上安くするには「下地補修」「塗料」「塗り回数」のどれかを削るしかない。この3つはどれも「塗った直後は見えない」所です。だから安い見積もりが成り立ちます。
手口①塗り回数を減らす
外壁塗装の基本は「下塗り1回+上塗り2回」の3回塗り。これを上塗り1回にすると、材料と手間が3分の1減ります。1軒で15〜20万円安くできます。
塗った直後は、2回塗りでも3回塗りでも見た目は同じです。違いが出るのは3〜5年後。塗膜が薄いので、色あせ・はがれが早く来ます。
見分け方
見積書に「下塗り・中塗り・上塗り」または「3回塗り」と書いてあるか。「塗装工事 一式」なら、「何回塗りですか?」と聞く。答えに詰まる、または「うちは2回で十分な塗料を使っています」と言う業者は要注意。
手口②塗料を安いものにすり替える・薄める
見積書に「シリコン塗料」とだけ書いて、実際は一番安いグレードのシリコンを使う。あるいは商品名は書いてあっても、規定より水(またはシンナー)で薄めて、缶数を減らす。どちらも缶を見ないと分かりません。
塗料はメーカーが「この面積にこの缶数」と決めています。150㎡の外壁に上塗り2回なら、だいたい15kg缶が3〜4缶。これを2缶で済ませれば、材料費は半分になりますが、塗膜は薄くなります。
見分け方
①見積書にメーカー名+商品名が書いてあるか。②「使う缶数を教えてください」と聞く。③工事中に、空き缶を見せてもらう(土居建装は缶の写真を撮ってお渡しします)。
土居建装の場合
日本ペイントの塗料を、メーカーの規定量で塗ります。塗料屋さんに発注した缶数と、塗った面積が合っていれば、メーカーの「グッジョブ保証」が付けられます。つまり缶数をごまかすと、メーカー保証が付かない仕組みなので、ごまかしようがありません。
手口③下地補修・シーリングを省く
ひび割れの補修、サイディングの目地のシーリング打ち替え、鉄部のサビ落とし。この「塗る前の準備」で10〜20万円かかります。安い見積もりでは、ここがごっそり抜けていることが多い。
| 省かれる作業 | 省くとどうなるか | いつ分かるか |
|---|---|---|
| ひび割れ補修 | 上から塗っても、同じ所からすぐひびが出る | 1年以内 |
| シーリング打ち替え(増し打ちで済ませる) | 目地から雨が入る。壁の中が腐る | 3〜5年 |
| 高圧洗浄を軽く済ませる | 古い塗膜の上に塗って、まとめてはがれる | 2〜3年 |
| 鉄部のサビ止め | 塗膜の下でサビが進み、ふくれて破れる | 2〜3年 |
見分け方
見積書に「ひび割れ補修 〇箇所」「シーリング打ち替え 〇m」「ケレン・サビ止め」が項目として書いてあるか。書いていなければ「下地補修は含まれていますか?」と聞く。「必要なら追加で」と言われたら、最初の金額は比べる意味がありません。
手口④「足場無料」のからくり
チラシでよく見る「今なら足場代無料(15万円お得)」。足場が無料になることはありません。足場屋さんに払うお金は必ず発生します。「無料」と書いてある場合は、次のどれかです。
足場は、職人の命と、お客さんの家・隣の家を守るためのものです。足場をおまけ扱いする業者は、安全もおまけ扱いします。
手口⑤保証がない・中身がない
安い見積もりには、保証がないか、「10年保証」と書いてあっても何を保証するか書いていないことが多い。はがれても「それは経年劣化です」で終わりです。
もう一つ多いのが、工事後に会社がなくなるパターン。訪問販売で全国を回る業者は、数年で社名を変えます。保証書があっても、電話がつながりません。
見分け方
①保証の「内容(何を)・年数・誰が(自社かメーカーか)」が書いてあるか。②その業者が何年その地域でやっているか。③工事後の点検があるか。近所の職人が一番強いのは、逃げられないからです。
安さの理由を1分で確かめる質問
安い見積もりを出した業者に、この4つを聞いてください。まともな業者なら、全部その場で答えられます。
この4つに答えられて、それでも安いなら、それは営業マンや広告費がない分の安さです。それなら安心して頼んでいいと思います。
まとめ
土居建装は営業マンも下請けもいないので、大手より安くできることが多いです。でも塗り回数・塗料の量・下地補修は、絶対に削りません。見積書には、この記事に書いた項目を全部書きます。他社の見積書と一緒に見て「ここが違う」と説明することもできます。
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メールで問い合わせるdoikenso305@gmail.com一級塗装技能士・足場作業主任者・有機溶剤・アスベスト・ハーネス
現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。
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