投稿者: DOIKENSO

  • グランセラベストで屋根を塗ってみた|無機ハイブリッドの遮熱屋根塗料を、実際に塗った一級塗装技能士が正直に評価します

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    屋根塗装の実例

    グランセラベストで屋根を塗ってみた

    無機ハイブリッドの遮熱屋根塗料を、実際に塗った一級塗装技能士が正直に評価します

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「グランセラベストって、実際どうなの?」
    「遮熱塗料で屋根を塗ったら、本当に艶が出るの?」

    カタログの性能は、メーカーのページを見れば分かります。でも、缶を開けたときのにおい、ローラーで塗ったときの伸び、乾いたあとの硬さは、塗った人にしか分かりません。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、2026年10月の現場で日本ペイントの「グランセラベスト」を使った感想を、写真と一緒にそのままお伝えします。塗った直後の評価なので、長持ちするかどうかは今後見ていきます。

    この記事の内容

    1今回の現場と、使った塗料

    2塗ってみた感想(におい・伸び・硬さ・艶)

    3仕上がりの写真(記事の最後に)

    4塗った手順

    5グランセラベストはどんな塗料か

    6どんな方に向いているか

    7まとめ

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    今回の現場と、使った塗料

    今回の現場
    建物セメント瓦の屋根・2階建て
    下塗り日本ペイント サーモアイシーラー(遮熱用の下塗り)
    中塗り・上塗り日本ペイント グランセラベスト
    色クールライトグレー(遮熱色)
    塗った回数下塗り1回+中塗り1回+上塗り1回の3回

    今回は遮熱塗装なので、下塗りも遮熱用のサーモアイシーラーにしています。下塗りと上塗りをセットで遮熱にすることで、屋根の温度上昇を抑える性能が出る仕組みです。

    塗ってみた感想(におい・伸び・硬さ・艶)

    ✓
    におい:それほどきつくない溶剤系の屋根塗料としては、缶を開けたときも塗っているときも、においは思ったよりきつくなかった。それでも溶剤なので、お客様には窓を閉めてもらっている
    ✓
    施工性:よく伸びるローラーでよく伸びて、塗りやすい。伸びが良い塗料は、ムラなく均一に塗りやすい
    ✓
    硬さ:乾いたあとの塗膜がしっかりしている乾いたあとの硬さがしっかりしている印象。屋根は日と雨を一番受ける場所なので、塗膜の硬さは大事
    ✓
    艶:だいぶ出る塗り終わって日が当たると、写真のとおり。光沢感は非常に優れている

    現場からの本音

    屋根の塗料は、塗っている最中は「どれも同じ」に見えます。差が出るのは、乾いたあとの硬さと、数年後の色あせ。グランセラベストは、乾いたあとの塗膜がしっかりしている手応えがありました。色あせについては、これから見ていきます。

    仕上がりの写真(記事の最後に)

    上塗りが終わった直後の屋根の写真を、この記事の一番下にまとめて載せています。1枚目は屋根の全景(クールライトグレー、セメント瓦の寄棟)、2枚目は棟の近くを逆光で撮ったもので、艶の出方が分かります。どちらも加工はしていません。

    塗った手順

    日やることここが大事
    塗る前高圧洗浄で汚れ・コケを落とす。屋根のひび割れなどを補修する汚れの上に塗っても塗料はくっつかない。ひびは塗る前に直す
    1日目下塗り:サーモアイシーラーたっぷり塗って、傷んだ瓦の表面を固め、上塗りとの密着を高める
    2日目中塗り:グランセラベスト下塗りを1日乾かしてから。塗料ごとに決められた乾燥時間を守る
    3日目上塗り:グランセラベスト中塗りを1日乾かしてから。ムラなく均一に、塗り残しなく

    屋根は外壁より乾燥に時間をかけます。今回は、下塗り→中塗り→上塗りをそれぞれ翌日にして、3日で仕上げました。屋根の傷みが強い場合は、下塗りを2回にすることもあります。

    グランセラベストはどんな塗料か

    ここからは、日本ペイントのカタログに書いてあることを、私の言葉でまとめます。

    無機と有機の「いいとこ取り」

    塗料の樹脂には、無機(ガラスや石に近い成分)と有機(一般的な塗料の成分)があります。無機は燃えにくく、紫外線にとても強くて、光沢感が高い。ただし硬くて割れやすい。有機は柔軟性がある。グランセラベストは、無機の光沢感・紫外線への強さと、有機の柔軟性をハイブリッドした塗料です。屋根のように日と雨を一番受ける場所で、高い耐候性・耐久性を出すための組み合わせです。

    ラジカル制御

    一般的な塗膜は、紫外線が当たると、顔料から「ラジカル」という塗膜を壊す物質が出て、劣化が進みます。グランセラベストは、特殊な光安定剤を複数配合してラジカルを抑えることで、耐候性を高めています。ラジカル制御型の塗料は、品質・性能・コストパフォーマンスのバランスが良く、長い目で見ると塗り替えの回数が減って、お住まいのメンテナンス費用の削減につながります。

    遮熱

    屋根の温度上昇を抑え、室内に伝わる熱を減らす塗料です。今回のように、下塗りも遮熱用のサーモアイシーラーにすることで、遮熱の効果が出ます。色は遮熱色から選びます。今回はクールライトグレーです。

    防藻・防カビ

    藻やカビの発生を抑えて、屋根の見た目を長く保ちます。北側など日が当たりにくい面で効いてくる性能です。

    どんな方に向いているか

    ✓
    屋根の暑さをなんとかしたい方遮熱で屋根の温度上昇を抑える。2階が暑い家に
    ✓
    塗り替えの回数を減らしたい方無機ハイブリッド+ラジカル制御で耐候性が高い。長く住む家に
    ✓
    屋根の艶・見た目を大事にしたい方光沢感が高い。塗った直後の見た目がきれい

    土居建装の場合

    屋根の塗料は、屋根の材質と傷み方で決めます。グランセラベストは「長持ち」と「遮熱」の両方がほしい方におすすめしやすい塗料でした。屋根だけ先に塗ることも、外壁と一緒に塗ることもできます。下塗りは必ず屋根の状態に合わせて選びます。

    まとめ

    ✓
    においはきつくない。よく伸びて、乾くと硬い。艶はだいぶ出る塗った職人の感想
    ✓
    無機と有機のハイブリッド+ラジカル制御+遮熱+防藻防カビカタログの性能
    ✓
    下塗りはサーモアイシーラー。下塗り→中塗り→上塗りを1日ずつあけて3日塗る前の洗浄と補修が土台
    ✓
    長持ちするかどうかは、これから見ていく数年後にまた報告します

    「うちの屋根にグランセラベストは合う?」「遮熱にすると、いくらくらい変わる?」という方は、屋根の写真を送ってください。屋根の材質と状態から、合う塗料と費用の目安をお伝えします。

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    写真を送っていただくだけでも、おおよその状態と費用感をお答えします。
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    一級塗装技能士・足場作業主任者・有機溶剤・アスベスト・ハーネス
    土
    この記事を書いた人:土居建装 代表 土居

    現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。

    © 土居建装 大阪府堺市美原区平尾2509-5

  • 外壁塗装の工事の流れ 完全版|近隣挨拶から足場解体まで12工程。何のために、何を使って、どう塗るのかを、一級塗装技能士が全部書きました

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    外壁塗装の基礎知識

    外壁塗装の工事の流れ 完全版

    近隣挨拶から足場解体まで12工程。何のために、何を使って、どう塗るのかを、一級塗装技能士が全部書きました

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「外壁塗装って、何日くらいかかるの?」
    「工事中は家にいないといけない?洗濯物は?」
    「見積書の工程って、1つ1つ何をしてるの?」

    外壁塗装は、家に住みながら行う工事です。だから「いつ、何を、何のためにやるのか」が分かっていると、工事中のストレスがぐっと減ります。そして、工程の中身が分かれば、見積書の良し悪しも、業者の良し悪しも見えてきます。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、一番多い「窯業系サイディングの2階建て」を例に、契約後の工事を12の工程に分けて、それぞれ何のためにやるのか・何を使うのか・どう作業するのか・お客様に何をお願いするのかを、現場の目線で全部書きました。長い記事です。目次から、気になる工程だけ読んでいただいても大丈夫です。

    この記事の内容

    1工事は12の工程で進みます

    2工程1 近隣への挨拶回り・チラシの配布

    3工程2 足場の設置

    4工程3 高圧洗浄

    5工程4 コーキング(シーリング)の打ち替え

    6工程5 鉄部の錆止め

    7工程6 養生・軒天井

    8工程7 外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)

    9工程8 屋根の点検・補修

    10工程9 屋根塗装

    11工程10 付帯部の塗装

    12工程11 最終確認・是正

    13工程12 足場の解体・引渡し

    14まとめ

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    工事は12の工程で進みます

    土居建装の外壁塗装(外壁+屋根+付帯部)は、この12の工程の順番で進めます。順番には理由があって、前の工程が終わらないと次ができないものがほとんどです。日数は目安で、作業する人数・天気・家の大きさで変わります。

    工程日数の目安家の人が気にすること
    1近隣への挨拶回り・チラシの配布工事の5日前まで—
    2足場の設置半日音が出る。車・植木の移動
    3高圧洗浄3〜5時間(足場と合わせて1日目)窓を閉める。洗濯物は外に干せない
    4コーキングの打ち替え1人で2日半〜3日、2人で2日物音がする程度
    5鉄部の錆止め1〜3時間溶剤のにおい。窓を閉める
    6養生・軒天井養生5時間〜2日、軒天井2時間〜1日ここから窓が開けられない
    7外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)2〜3日においが出る日がある
    8屋根の点検・補修3時間〜2日—
    9屋根塗装(下塗り・中塗り・上塗り)3日前後溶剤のにおい。天井から足音
    10付帯部の塗装部材・塗料による—
    11最終確認・是正上塗りの最中からずっと窓・玄関から一緒に見る
    12足場の解体・引渡し半日音が出る。車の移動。立ち会い不要

    全体ではおおよそ2〜3週間を見てください。雨が続けばその分延びます。「3日で全部終わります」という業者がいたら、どこかを省いています。コーキングだけで2日半〜3日、外壁の3回塗りだけで2〜3日かかるので、物理的に3日では終わりません。

    工程1 近隣への挨拶回り・チラシの配布

    工事の5日前までに、私自身がご近所へご挨拶に伺います。回るのは、お客様の家の裏とその両隣、向かいとその両隣です。お客様がご一緒でなくても大丈夫です。

    お渡しするのは、工事の流れを書いたチラシ1枚です。特にお伝えしているのは「音」のことです。工事の中で一番音が出るのは、足場と高圧洗浄の日。足場はハンマーで叩くカンカンという音、洗浄は業務用の強力な洗浄機を使うので、エンジン音と、洗車機のような水の音がします。それに加えて、工事中は車の出入りをさせていただくこと、作業の時間をお伝えします。

    チラシには連絡先を載せてあるので、「何かあったらこちらへ」とお伝えして、工事中にご近所の方が直接私に連絡できるようにしています。

    現場からの本音

    挨拶は「してもしなくてもいい」ものではなく、工事の一部だと思っています。ご近所の方は、工事の間ずっと音とにおいを我慢してくださっています。先に顔を見せて、何の音がいつ出るかを伝えておくだけで、工事中の空気がまったく違います。

    工程2 足場の設置

    足場は、専門の足場屋さんに組んでもらいます。金属のパイプをハンマーで叩いて組むので、カンカンという音が出ます。工事の中で一番音が出る日です。組み終わったら、飛散防止のメッシュシートで家をぐるっと囲みます。シートで囲まれると家の中が少し暗くなり、窓の外が見えにくくなります。工事の間はこの状態です。足場から2階の窓に近づけるので、工事中は2階の窓も施錠してください。

    足場の日までに、お客様にお願いしていることが2つあります。

    ✓
    車の移動足場を組む日は、敷地内の車を動かしておいてください
    ✓
    植木の移動植木が家に近すぎると、高圧洗浄のときの汚れた水や、塗料がかかってしまう恐れがあります。養生で塞ぐこともできますが、そうすると植物が工事の間ずっとビニールで覆われてしまいます。移動できる植物は、できる限り足場の外側へ移動していただくようお願いしています

    工程3 高圧洗浄

    足場ができたら、業務用の高圧洗浄機で家全体を洗います。3〜5時間かかります。

    洗浄をする理由は2つあります。1つは、外壁や屋根についているホコリ・煤(すす)などの不純物を、限りなく取り除くこと。汚れの上に塗料を塗っても、塗料は汚れにくっつくだけで、外壁にはくっつきません。もう1つは、弱っているところの確認です。水を当てると、塗膜が浮いているところ、剥がれかけているところが分かります。

    洗う順番は、2階の屋根から。上から順番に、汚れを下へ洗い落としていくイメージです。「ここだけ念入りに」ではなく、全部を入念に洗います。

    この日、お客様にお願いしていることが3つあります。

    ✓
    洗濯物は外に干せません室内干しでお願いします
    ✓
    窓ガラスは全部閉めてください水が入ることがあります
    ✓
    雨戸・シャッターは、ロックをかけずに動く状態にしておいてください窓ガラスとシャッターも一緒に洗うためです

    洗った外壁は乾かしてから塗りますが、現場を空けるわけではありません。乾かしている間に、コーキング・錆止め・養生を進めます。

    工程4 コーキング(シーリング)の打ち替え

    洗浄の翌日から、目地のコーキングを打ち替えます。一般的な2階建てで、1人なら2日半〜3日、2人なら2日くらいかかる作業です。

    コーキングは何のためにあるか

    コーキングは、サイディングの板と板をつなぐ、ゴムのように柔らかい材料です。役目は2つ。板と板の隙間から雨が入らないように止めること(防水)。そして、壁の揺れや伸び縮みを吸収することです。

    壁は止まっているように見えて、毎日動いています。昼は日が当たって板が膨らみ、夜は縮む。地震や強風でも揺れる。板そのものは硬いので、その動きは全部、板と板の隙間に集まります。そこで動きを受け止めているのがコーキングです。だから、柔らかいままでいることが何より大事です。

    古くなるとどうなるか

    新品のコーキングが柔らかいのは、「可塑剤(かそざい)」という成分のおかげです。紫外線と熱で、この可塑剤が少しずつ表面に出て(目地が黒ずむ「ブリード」)、やがて抜けきると、カチカチに硬くなって割れます。硬くなったコーキングは、壁の動きについていけません。ひびが入り、やせて細くなり、板との境目がはがれ(剥離)、最後は真ん中から裂けます(破断)。

    そうなると、目地はただの隙間です。雨が入って板の裏側を濡らし、板が反る。その奥の防水紙が傷んでいれば、柱が腐る。こうなると塗装では直せません。

    現場からの本音

    外壁の塗膜がまだ元気でも、目地が切れていたら、そこから家が傷みます。外壁塗装でコーキングを打ち替えるのは、見た目をそろえるためではありません。壁の継ぎ目の防水を新品に戻すためです。塗装と同じくらい大事な、防水の工事だと思っています。

    土居建装の打ち替えの手順

    順番やることここが大事
    ① 撤去古いコーキングをカッターで全部切り取る古いカスが残っていると、新しいコーキングがくっつかない。目地の中まできれいにする
    ② プライマー目地の両側の面に、接着剤の役目の下塗りを塗る塗らないと、数年で板との境目からはがれる。 打った直後は見た目が同じなので、お客様には分からない。だからこそ省く業者がいる
    ③ 充填新しいコーキングを目地に打ち込み、ヘラで押さえる左右の板にだけくっつけて、底にはくっつけない(2面接着)。底までくっつくと、壁が動いたときに伸びる余裕がなくて裂ける
    ④ 乾燥2日あけてから外壁を塗る乾く前に塗ると、塗膜が割れたり、コーキングの成分がにじんで塗料が汚れたりする

    サッシまわりは「増し打ち」

    窓(サッシ)のまわりの目地は、古いコーキングを取らずに、上から新しいコーキングを足す「増し打ち」にします。これは手抜きではありません。サッシまわりの裏には防水シートがあり、カッターを深く入れるとそれを切ってしまうからです。板と板の目地は打ち替え、サッシまわりは増し打ち。見積書にこの2つが分けて書いてあるかどうかで、分かっている業者かどうかが見えます。

    使う材料

    外壁の目地に使うのは「変成シリコン」系のコーキングです。名前の似た「シリコン」は、水も塗料もはじくので、上から塗装ができません。外壁の目地には使いません。土居建装では、塗装で上から覆う目地と、塗装で覆わない場所(後打ち)で材料を使い分けています。後打ちの場所はむき出しで紫外線に当たるので、オートンイクシードなどの高耐久のものを使います。

    土居建装の場合

    土居建装の流れは、コーキングを先に打って、その上から外壁を塗る「先打ち」です。塗膜がコーキングを紫外線から守るので、むき出しの「後打ち」より長持ちします。そのかわり、コーキングが十分に乾くまで外壁は塗りません。2日あけます。

    この工程は外の作業なので、お客様への影響はほとんどありません。カッターで古いコーキングを取るときの物音がする程度です。

    工程5 鉄部の錆止め

    コーキングが乾くのを待つ間に、鉄部の錆止めを塗ります。

    鉄部とはどこか

    「鉄部」は、文字どおり素材が鉄の部分です。多いのは霧除け(窓の上の小さな庇)と板金まわり。水切り・庇・小庇も鉄の場合があります。軒天井も、鉄でできていれば鉄部です。塗る前に、どこが鉄でどこがアルミかを見分けるところから始まります。

    なお、アルミのサッシ・雨戸・手すりは、土居建装では基本的に塗りません。アルミは塗料がくっつきにくく、塗ってもはがれやすい材料です。特別な理由がない限り、アルミは触らないほうがきれいに長持ちします。

    なぜ錆止めを塗るのか

    錆止めを塗らずに、いきなり上塗りをする業者もいます。見た目はきれいに仕上がりますが、それでは密着力がなく、錆を止める効果もありません。中で錆がそのまま進んで、上塗りの効果もなくなります。鉄は、内側から傷んでいく材料です。だから上塗りの前に、錆を止めて下地を強くしておく必要があります。

    土居建装の錆止めの手順

    順番やることここが大事
    ① 錆の見極めどこがどのくらい錆びているかを見る浮いている錆、浮いていない錆、塗膜のはがれを分けて見る
    ② ケレン(下処理)ワイヤーブラシなどの手ケレンで、浮いた錆・古い塗膜を落とす浮きがない状態になるまで、できるだけ錆を落としてから塗る。 ここを雑にすると、錆の上に塗ることになり、すぐ浮いてくる
    ③ 錆止め刷毛とローラーで、2液エポキシ型の錆止めを塗る隅・裏側・ビスのまわりまで塗り残さない
    ④ 乾燥養生・外壁塗装のあいだに乾かす上塗りまで3〜4日あく

    使う材料

    日本ペイントの「ハイポンファインプライマーII」という、2液エポキシ型の錆止めを使っています。密着性が強く、下地をしっかり作れるタイプです。錆止めで下地を強くしておくと、その上の塗料の密着も良くなる。だから、錆止めの中でも強いものを選んでいます。

    一般的な2階建てで、庇などの鉄部が多い家で3時間ほど。鉄部がほとんどない家なら1時間程度です。

    現場からの本音

    錆止めは、塗ってしまえば上塗りで隠れて見えなくなります。ケレンをしたかどうかも、見えません。だから手を抜きやすい工程です。でも、鉄部が数年で錆びて塗膜が浮いてくる家は、ほとんどここが原因です。錆を見極めて、浮きがなくなるまで落として、それから塗る。見えないところほど丁寧に、です。

    ✓
    この日は窓を閉めておいてください錆止めは溶剤系(油性)の塗料なので、窓を開けているとにおいがします
    ✓
    雨戸は1枚外して作業します雨戸は窓より大きくて、閉めたままだと壁が塗れない部分があるためです

    工程6 養生・軒天井

    養生

    錆止めが終わったら、塗らない場所を覆う「養生」です。マスキングテープ・ブルーシート・ノンスリップシート・ガムテープを使って、窓・サッシ・玄関・床など、塗らないところを全部覆います。

    目的は塗料の飛び散り防止ですが、丁寧な養生と雑な養生の差は、はっきり出ます。土居建装が気をつけているのは2つ。塗料の入る隙間を作らないこと。隙間があると、そこから塗料が回り込んで、サッシや床に跡が残ります。もう1つは、風でビニールがバサバサ音を立てないようにすること。養生は工事の間ずっと家を覆っているので、音が出ると、お客様にもご近所にもストレスになります。

    養生にかかる時間は、家の大きさでかなり変わります。5時間で終わる家もあれば、丸2日かかる家もあります。

    養生のあいだお願いしていること
    窓養生をしてから、外壁の上塗りが終わって養生を外すまでは、窓を開けられません。開けてしまうと、作業中の塗料のにおいがお部屋に入る恐れがあります
    玄関出入りできます。出入りができるように養生します
    エアコン・換気扇使っていただいて大丈夫です
    郵便受け通常どおり使えます

    軒天井

    養生ができたら、軒天井(のきてんじょう)を塗ります。軒天井は、屋根が壁より外に出ている部分の裏側、見上げたところにあるボードです。屋根が広く出ているほど、家を紫外線や雨から守ってくれますが、その分、軒天井の面積も広くなります。

    軒天井は、湿気がたまりやすい場所です。放っておくとカビや汚れがつき、クモなどの虫もたまりやすい。塗り替えで定期的にきれいにしておく場所です。

    なぜ外壁より先に塗るのか。塗料は上から落ちてきます。軒天井は外壁より上にあるので、先に仕上げておかないと、外壁を塗ったあとに軒天井を塗ると、せっかく塗った外壁をまた汚してしまいます。上から順に仕上げる。これが塗装の基本です。

    順番やることここが大事
    ① ペーパーがけサンドペーパーで表面を研磨する汚れと段差を落とすのと同時に、表面を少し荒らして(目粗し)、塗料がくっつきやすくする
    ② 塗装日本ペイントの軒天井用塗料「ケンエース」を塗る普通のボードは水性のケンエース。ケイカル板のようなつるっとしたパネルは、密着しにくいので溶剤系の「ケンエースG-II」を使う。材質を見て使い分ける
    ③ 確認換気の穴がふさがっていないか見る軒天井の穴は屋根裏の湿気を逃がすためのもの。塗料でふさぐと、湿気がこもる

    かかる時間は、2時間から1日くらいです。

    現場からの本音

    軒天井は見上げないと見えない場所なので、ペーパーがけを省いても、塗った直後は分かりません。でも、汚れの上に塗った塗料は、数年ではがれてきます。ここも「見えないところほど丁寧に」です。

    工程7 外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)

    養生と軒天井が終わったら、いよいよ外壁です。下塗り・中塗り・上塗りの3回を、上から順に、ローラーで塗っていきます。ここでは、土居建装が標準的に使っている塗料を例にして説明します。

    下塗り:パーフェクトフィラー

    下塗りは、外壁の状態に合ったものを選びます。土居建装でよく使うのは、日本ペイントの「パーフェクトフィラー」です。選ぶ理由は2つ。1つは密着。下塗りは、外壁と上塗りの塗料をくっつける接着剤の役目です。もう1つは補修。フィラーには厚みがあるので、0.3mm以下のヘアクラックや、目に見えないほどの細かいひびを、塗りながら埋めてくれます。ひびが目立つ外壁ほど、フィラーの出番です。

    下塗りにはもう1種類、「シーラー」というものもあります。こちらはサラサラした塗料で、外壁に染み込んで固める役目が強く、ひびを埋める力はありません。外壁の傷み方を見て、どちらを使うかを決めます。

    上塗り:パーフェクトトップ

    上塗りは、日本ペイントの「パーフェクトトップ」です。一番多く使われているラジカル制御型という、紫外線で塗料が壊れるのを抑える仕組みの塗料で、チョーキング(手に白い粉がつく劣化)が起きにくい。長く使われていて信頼性があり、メーカーの材料保証がつくのも選んでいる理由です。

    なぜ吹き付けではなく、ローラーで塗るのか

    外壁を塗る方法には、ローラーで手塗りする方法と、機械で吹き付ける方法があります。土居建装は、基本的にローラーです。

    家の吹き付けは、車の塗装などとは違い、材料を多く押し出すので勢いが強く、塗料がかなり飛び散ります。隣の家や車に飛ぶリスクが大きく、職人の体にも良くありません。それに、手塗りのほうが、隅まで丁寧に仕上げられます。どうしても吹き付けでないと塗れない壁のときだけ、吹き付けにします。

    中身
    順番上から下へ。軒天井と同じで、上から仕上げる
    乾燥1回塗るごとに、最低4時間から翌日まで乾かす。乾く前に重ねると、塗膜の中に湿気が残る
    1回あたり人数で変わるが2〜10時間
    外壁全体下塗りから上塗りまで、早くて2〜3日
    中塗りと上塗りの色塗料の仕様による。同じ材料で2回塗るものも、中塗りと上塗りで材料が違うものもある
    気をつけることムラなく均一に。塗り残しがないように。 塗膜の厚みが均一でないと、薄いところから先に傷む

    土居建装の場合

    塗料の缶数は、日本ペイントの注文画面に外壁の塗り面積(㎡)を入れると自動で計算されます。土居建装は、その計算どおりの缶数で発注します。発注した缶数と塗った面積が合っていれば、メーカーの「グッジョブ保証」が付く仕組みです。日本ペイントが認めた施工店だけが受けられる、メーカーの保証です。つまり、塗料を薄めて缶数を減らすような施工はできません。下塗り・中塗り・上塗りの3工程すべて、写真を撮ってお渡しします。

    外壁の塗料は水性なので、においは比較的弱いです。ただ、同じ時期に塗る付帯部や屋根は溶剤系の塗料が多く、揮発しやすいので、そのにおいがお家の中に入ることがあります。塗装中は窓を閉めておいてください。

    工程8 屋根の点検・補修

    屋根を塗る前に、屋根の上に上がって点検します。足場があるときにしか見られない場所なので、隅々まで見ます。見るのは、瓦のズレ、棟板金(屋根のてっぺんの金属の板)の釘が浮いていないか、雨漏りの跡がないか。

    見つかったものやること
    棟板金の釘の浮き古い釘のままにせず、新しいステンレスのビスで打ち直す。ステンレスなら錆びて抜けてこない
    コーキングの切れ棟板金の継ぎ目や、板金まわりのコーキングを打ち直す。雨漏りを止めるのと、板金を固定するため

    補修をせずに塗るとどうなるか。ひびは、ひびのまま塗ることになります。塗料でふさがったように見えても、ひびは残っています。棟板金の釘が浮いたままだと、風が強い日に板金ごと飛んでいく恐れがあります。コーキングが切れたままだと、そこから雨が入ります。塗装は、傷んだところを直してから。かかる時間は、屋根の状態で3時間から2日です。

    工程9 屋根塗装

    点検と補修が終わったら、屋根を塗ります。屋根は家の中で一番、日と雨に当たる場所です。外壁と同じかそれ以上に、下地と乾燥が大事です。

    下塗り

    屋根の下塗りは、傷んだ屋根の表面を固めて、上塗りとの密着を高めるためのものです。土居建装では、たっぷり塗って、下地を固めるイメージで塗ります。屋根の傷みが強いときは、下塗りを2回塗ってから中塗り・上塗りに進むこともあります(計4回)。

    縁切り(タスペーサー)

    スレート屋根は、板が重なってできています。塗料で重なりの隙間がくっついてしまうと、屋根の中に入った雨水や湿気の逃げ道がなくなり、屋根が内側から傷みます。そこで、重なりに「タスペーサー」という小さな部品を差し込んで、隙間を確保することがあります。ただし、これは現場で見て、触って判断します。スレートがくっついて湿気が逃げなさそうなら入れる。隙間が十分あるなら、入れないこともあります。

    中身
    回数下塗り・中塗り・上塗りの3回が基本。下地の状態で4回になることもある
    乾燥屋根は外壁より乾燥に時間をかける。塗料ごとに決められた乾燥時間を必ず守る
    順番外壁のあとに塗ることが多いが、家によっては屋根を先に塗ることもある
    気をつけること塗りながら、傷んでいる箇所がないかをもう一度見る。点検で見落としたものは、塗っているときに見つかる

    土居建装の場合

    最近の現場では、下塗りに遮熱用の「サーモアイシーラー」、上塗りに「グランセラベスト」(どちらも日本ペイント)を使っています。屋根の塗料は、屋根の材質と傷み方で変えます。

    屋根の塗料は溶剤系のしっかりしたものなので、においがします。窓は閉めておいてください。また、屋根の上に乗って作業するので、天井から足音がします。

    工程10 付帯部の塗装

    外壁と屋根が終わったら、最後に付帯部(ふたいぶ)を仕上げます。付帯部とは、外壁・屋根以外の、外に出ている部分のことです。

    標準で塗るところオプション
    雨樋、破風、雨戸、水切り、シャッターボックス、板金のフード、小庇(こびさし)、格子エアコンのカバー、アルミ製品など

    付帯部は、雨樋は塩ビ、破風は木や窯業系、雨戸や水切りは鉄と、材質がバラバラです。土居建装では、その材質に合う塗料に全部変えて塗ります。一律に同じ塗料で塗ると、材質によっては数年ではがれます。塗る前の下処理も材質で変わります。雨樋は、表面がつるつるで塗料がのりにくいので、ケレンで目荒らしをしてから塗ります。金属の金具は、サビ止めを塗ってから上塗りです。

    付帯部の色は、お好みで変えられます。ただ、一番多いのは、今ついている色と同じ系統でそろえることです。全体の雰囲気を変えずに、きれいになります。

    付帯部は細かい部材が多いので、塗る前に1つ1つ傷み具合を確認して、必要なところは補修してから塗ります。塗るときは均一に。塗る回数や時間は、部材・塗り方・塗料によって変わります。

    工程11 最終確認・是正

    塗装が終わったら、足場に上がって全体を見て回ります。塗り残し、ムラ、マスキングテープの跡、ゴミの付着、ラインがきれいに出ているか。気になるところは全部直します。

    じつは確認は、塗り終わってからだけではありません。上塗りをしている最中も、ずっとチェックしながら回っています。最後の確認は、その総仕上げです。養生は、上塗りが乾いてからはがします。乾く前にはがすと、テープと一緒に塗膜がめくれることがあります。

    お客様も一緒に見てください

    最終確認は、お客様にも一緒に見ていただいて大丈夫です。ただ、足場の上は階段が付けられない箇所もあって危ないので、窓や玄関まわりから見ていただく形になります。気になるところがあれば、この時点で言ってください。足場があるうちなら、すぐ直せます。

    工程12 足場の解体・引渡し

    足場の解体は、足場屋さんにお願いします。組んだときと同じで、金属の音が出ます。解体の日は車の移動をお願いすることがありますが、お客様の立ち会いは要りません。

    足場が取れたら、もう一度、地上から全体をチェックします。足場があるときには見えなかった角度から見て、直すところや問題がないかを確認してから、お引渡しです。

    土居建装の場合

    お引渡しのときに、工事中の写真(各工程)、自社保証書、メンテナンス計画表、アフターサービスのご案内をお渡しします。メーカーのグッジョブ保証は、後日メーカーから直接届きます。

    まとめ

    ✓
    工事は12の工程。全体で2〜3週間、雨で延びる「3日で終わる」は省いている
    ✓
    音が出るのは足場の日と解体の日。水が飛ぶのは洗浄の日。窓が開けられないのは養生から上塗りまでこの日程を先に知っておく
    ✓
    挨拶 → 足場 → 洗浄 → コーキング → 錆止め → 養生・軒天井 → 外壁 → 屋根点検 → 屋根 → 付帯部 → 最終確認 → 解体前の工程が終わらないと次ができない
    ✓
    コーキング・錆止め・下塗りは、塗ったあと見えなくなる工程。だから手を抜かれやすい見積書に「打ち替え」「ケレン」「サビ止め」「下塗りの商品名」があるか
    ✓
    最終確認は足場があるうちに一緒に気になるところはそのときに言う

    「うちの家の場合、何日くらいかかるか知りたい」「見積書の工程が、この記事と違う気がする」という方は、家の写真や見積書を送ってください。大きさと状態から、おおよその工期と、工程の中身をお伝えします。

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    土
    この記事を書いた人:土居建装 代表 土居

    現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。

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  • 外壁塗料の種類と耐用年数|シリコン・ラジカル・フッ素・無機、どれを選べばいい?一級塗装技能士が解説

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    外壁塗装の基礎知識

    外壁塗料の種類と耐用年数

    シリコン・ラジカル・フッ素・無機、どれを選べばいい?一級塗装技能士が解説

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「シリコンとフッ素、何が違うの?」
    「見積もりに『ラジカル』って書いてあるけど、それって良いの?」

    外壁塗装の見積もりで、一番よく聞かれるのが塗料の選び方です。塗料のグレードで、次の塗り替えまでの年数も、今回払う金額も変わります。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、塗料の種類ごとの耐用年数と費用の目安、そして「うちはどれを選べばいいか」の考え方を、現場の目線でお伝えします。

    この記事の内容

    1塗料の違いは「樹脂」で決まる

    26種類の塗料の耐用年数と費用の目安

    3いちばん選ばれているのはシリコンとラジカル

    4フッ素・無機は、どんな人に向いているか

    5水性か油性か、1液か2液か

    6高い塗料でも長持ちしない3つのケース

    7あと何年住むかで選ぶ

    8まとめ

    →無料相談はこちら

    塗料の違いは「樹脂」で決まる

    塗料は、大きく分けると「色のもと(顔料)」と「それをつなぎとめる樹脂」でできています。シリコン・フッ素といった呼び名は、この樹脂の種類のことです。

    外壁は、毎日、紫外線と雨にさらされています。紫外線で樹脂が少しずつ壊れると、表面が粉をふき(チョーキング)、色があせ、やがて防水の力がなくなります。樹脂が紫外線に強いほど、塗膜は長持ちする。塗料のグレードの差は、ほぼこれだけです。

    つまり、「高い塗料=きれいに見える塗料」ではありません。塗った直後の見た目はどれもほとんど同じです。差が出るのは5年後、10年後です。

    6種類の塗料の耐用年数と費用の目安

    外壁によく使われる塗料は、次の6種類です。年数と金額は一般的な目安で、メーカー・商品・建物の条件で変わります。

    塗料耐用年数の目安費用の目安(1㎡あたり)今の使われ方
    アクリル5〜7年1,000〜1,800円外壁ではほぼ使われない
    ウレタン7〜10年1,700〜2,500円付帯部(雨樋など)で使うことがある
    シリコン10〜15年2,300〜3,500円一番よく使われる標準
    ラジカル制御形12〜15年2,500〜3,500円シリコンの次の定番
    フッ素15〜20年3,500〜4,800円長持ち重視の方向け
    無機20〜25年4,500〜5,500円最上位クラス

    「1㎡あたり」の金額は、下塗り〜上塗りまでの塗装の単価です。一般的な2階建て(外壁150㎡前後)なら、シリコンとフッ素の差は外壁だけでおよそ20〜30万円になります。

    現場からの本音

    耐用年数は、メーカーが試験機で紫外線や雨を当てて出した「期待値」です。実際には、日当たりの強い南面・西面は早く傷み、北面は長持ちします。同じ家でも面によって差が出ます。表の年数は「このくらいを目安に考える」数字として見てください。

    いちばん選ばれているのはシリコンとラジカル

    今の外壁塗装で一番多く選ばれているのは、シリコンとラジカル制御形です。値段と長持ちのバランスが一番良いからです。

    シリコン塗料

    長く「標準」とされてきた塗料です。実績が多く、色の種類も豊富。10年前後で塗り替えを考える方に向いています。

    ラジカル制御形塗料

    色のもと(顔料)に使われる酸化チタンは、紫外線を浴びると「ラジカル」という、樹脂を壊す物質を出します。ラジカル制御形は、このラジカルを閉じ込めて、塗膜の劣化を遅らせる工夫がされた塗料です。

    値段はシリコンと大きく変わらないのに、チョーキングが出にくく、シリコンより長持ちが期待できるのが強みです。日本ペイントの「パーフェクトトップ」がその代表です。

    土居建装の場合

    一番ご提案が多いのはラジカル制御形(日本ペイント パーフェクトトップ)です。シリコンとほぼ同じ金額で、もう一段長持ちが期待できるからです。もちろん、ご予算やご希望に合わせて、シリコン・フッ素・無機からもお選びいただけます。

    フッ素・無機は、どんな人に向いているか

    フッ素・無機は、紫外線に非常に強い樹脂を使った高耐久の塗料です。1回の工事は高くなりますが、塗り替えの回数を減らせます。

    ✓
    この先20年以上、今の家に住むつもり塗り替えの回数が減るほど、足場代(1回15〜20万円前後)も減る
    ✓
    次の塗り替えをできるだけ先にしたい高い所の多い3階建てや、足場を組みにくい家は特に
    ✓
    日当たりが強く、前回の塗装が早く傷んだ南面・西面の色あせが早かった家

    一方で、フッ素・無機は塗膜が硬いため、ひび割れの多いモルタル外壁では、建物の動きについていけずに割れることがあります。外壁の種類と状態を見てから決めるのが大事です。

    水性か油性か、1液か2液か

    見積書には、樹脂の種類のほかに「水性」「1液」などと書かれていることがあります。これも塗料の違いです。

    種類どんな塗料か特ちょう
    水性水で薄める塗料においが少ない。住みながらの工事でも安心。今の外壁は水性が主流
    油性(溶剤)シンナーで薄める塗料密着力が強く、鉄部・屋根などに向く。においは強め
    1液缶を開けてそのまま使う扱いやすく、余っても保管できる
    2液使う直前に2つの液を混ぜる硬くて強い塗膜。ただし混ぜたら数時間で使い切る必要がある

    「水性だから弱い」ということはありません。今の水性塗料は性能が上がっていて、外壁なら水性で十分なことがほとんどです。どれを使うかは、外壁の材料・場所・状態を見て職人が決めます。

    高い塗料でも長持ちしない3つのケース

    どんなに良い塗料を選んでも、次の3つのどれかがあると、書いてある年数はもちません。

    ✓
    ① 下塗りが合っていない・省かれている塗料の性能は、外壁にしっかりくっついて初めて出る。下塗りは外壁の状態で選ぶもの
    ✓
    ② 塗る量(回数・厚み)が足りない上塗り2回で決められた厚みになる。1回だと年数は半分近くになる
    ✓
    ③ シーリング(目地)が先に切れるサイディングの目地のシーリングが10年で切れると、外壁が20年もつ塗料でもそこから水が入る

    現場からの本音

    フッ素や無機を選ぶなら、サイディングの目地も高耐久のシーリング材にそろえるのがおすすめです。外壁の塗料だけ20年もっても、目地が10年で切れたら、結局10年で足場を組むことになります。「塗料だけ高いもの」は、一番もったいない選び方です。

    あと何年住むかで選ぶ

    迷ったときは、「あと何年この家に住むか」「次の塗り替えを何年後にしたいか」で考えると決めやすくなります。

    こんな方におすすめの塗料次の塗り替えの目安
    10年くらいで、また見直したいシリコン10〜15年後
    値段は抑えたいけど、少しでも長くもたせたいラジカル制御形12〜15年後
    20年以上住む。塗り替えの回数を減らしたいフッ素15〜20年後
    一番長くもたせたい。3階建てで足場代が高い無機20年以上

    土居建装の場合

    土居建装では、使う塗料に合わせて自社保証(シリコン3年/ラジカル5年/フッ素・無機7年)をお付けしています。さらに日本ペイントの対象塗料を使った工事には、塗料の発注数と塗った面積が合っていればメーカーの「グッジョブ保証」が付きます。保証の中身は、お見積もりのときに直接ご説明します。

    まとめ

    ✓
    塗料のグレードは「樹脂」の違い。紫外線に強いほど長持ち塗った直後の見た目はほぼ同じ。差は5年後、10年後に出る
    ✓
    一番選ばれているのはシリコンとラジカル制御形ラジカルはシリコンとほぼ同じ値段で、もう一段長持ち
    ✓
    フッ素・無機は、長く住む家・足場代が高い家に向くただし外壁の種類と状態を見てから決める
    ✓
    高い塗料でも、下塗り・塗る量・シーリングが悪いと長持ちしない塗料とシーリングの寿命はそろえる

    「見積もりにいろいろな塗料が書いてあって、どれが良いか分からない」という方は、見積書の写真を送ってください。塗料の名前とグレード、何年くらいもつものか、見て説明します。

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    この記事を書いた人:土居建装 代表 土居

    現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。

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  • 外壁の色選びで失敗しないコツ|色見本と仕上がりが違う理由、汚れが目立たない色、ツヤの決め方を一級塗装技能士が解説

    営業電話は一切お断りしています。個人のお客様のみ/お見積もり無料
    外壁塗装の基礎知識

    外壁の色選びで失敗しないコツ

    色見本と仕上がりが違う理由、汚れが目立たない色、ツヤの決め方を一級塗装技能士が解説

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「カタログで選んだ色なのに、塗ってみたら思ったより明るかった」
    「せっかく塗ったのに、2年で汚れが目立ってきた」

    外壁塗装で、工事が終わってから一番後悔が多いのが色選びです。塗料のグレードや工事の中身は職人が責任を持てますが、色だけはお客様に決めていただくもの。だからこそ、決める前に知っておいてほしいことがあります。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、色見本と仕上がりが違って見える理由、汚れが目立ちにくい色、ツヤの決め方、失敗しない決め方の順番を、現場の目線でお伝えします。

    この記事の内容

    1色選びの失敗で一番多いのは「思ったより明るい・派手」

    2色見本は小さいほどウソをつく(面積効果)

    3汚れが目立ちにくい色・目立つ色

    4白・黒・原色を選ぶときの注意

    5ツヤあり?ツヤなし?

    6屋根・サッシ・玄関ドアとの組み合わせ

    7失敗しない色の決め方(順番)

    8まとめ

    →無料相談はこちら

    色選びの失敗で一番多いのは「思ったより明るい・派手」

    塗り替えのあとに「イメージと違った」と言われるとき、ほとんどは「思ったより明るい」「思ったより派手」です。「思ったより暗い」はめったにありません。

    理由は2つ。1つは、色は面積が大きくなるほど明るく・鮮やかに見えること。もう1つは、カタログは室内の照明で見て、外壁は太陽の光の下で見ることです。どちらも、仕上がりを実物より暗く想像させる方向に働きます。

    現場からの本音

    色は塗ってしまうと戻せません。塗り直すには、もう一度足場を組んで、もう一度3回塗る費用がかかります。だから土居建装では、色決めに一番時間をかけてもらうようにしています。急いで決めて得することは1つもありません。

    色見本は小さいほどウソをつく(面積効果)

    同じ色でも、小さい面積と大きい面積では違って見えます。これを「面積効果」といいます。

    見る大きさ見え方注意
    カタログの色見本(2〜3cm角)実際より暗く・地味に見えるこれだけで決めない
    A4サイズの見本板だいぶ近づくが、まだ少し暗く見える必ず屋外で、壁に当てて見る
    実際の壁(1軒分)一番明るく・鮮やかに見えるこれが本当の仕上がり

    対策は簡単で、「気に入った色より、1段階か2段階暗い(落ち着いた)色を選ぶ」ことです。特に明るい色・鮮やかな色ほど、この差が大きく出ます。

    もう1つ大事なのが、見本板は屋外で、太陽の光で、壁に当てて見ること。室内の照明の下で見た色と、外で見た色は別物です。できれば、晴れの日と曇りの日、朝と夕方で見比べてください。

    汚れが目立ちにくい色・目立つ色

    外壁の汚れは、雨に混じったホコリ・排気ガス・コケが主です。汚れそのものは薄い灰色〜黒っぽい色なので、それに近い色ほど目立ちません。

    汚れの目立ちにくさ色理由
    ◎ 目立ちにくい薄いグレー、ベージュ、アイボリー、薄いブラウン汚れの色に近い。色あせも目立ちにくい
    ○ ふつう濃いグレー、濃いブラウン、グリーン系汚れは目立たないが、色あせ・白っぽいスジが出やすい
    △ 目立ちやすい真っ白、真っ黒、赤・青などの原色白は黒い汚れが、黒は白い汚れ(雨だれ・チョーキング)が目立つ

    迷ったときは、薄いグレー・ベージュ系が一番失敗が少ないです。どんな屋根・サッシとも合わせやすく、10年後に見ても古く見えにくい色です。

    白・黒・原色を選ぶときの注意

    ✓
    真っ白きれいだが、雨だれ・コケ・排気ガスの黒い汚れが一番目立つ。白を使うなら、少しグレーやベージュが入った「オフホワイト」に
    ✓
    真っ黒・濃紺引き締まって見えるが、熱を吸って外壁の温度が上がりやすい。色あせ・チョーキングが白く目立つ。汚れは意外と出る
    ✓
    赤・青・黄などの原色色あせが早い。塗料の中でも原色は紫外線に弱い色が多い。面積効果で一番「派手になりすぎた」が起きやすい
    ✓
    流行の色10年以上つき合う色。今の流行より、10年後にも古く見えないかで考える

    現場からの本音

    濃い色・原色は、塗料メーカーの「標準色」に入っていないことが多く、特注の調色になって値段が上がることがあります。また、濃い色は塗料によっては「この色は対応できません」と言われることもあります。決める前に、その色がその塗料で出せるか確認します。

    ツヤあり?ツヤなし?

    外壁の塗料は、ツヤの強さを選べるものが多いです。ツヤあり・7分ツヤ・5分ツヤ・3分ツヤ・ツヤ消しといった段階があります。

    ツヤ見た目長持ち・汚れ
    ツヤあり光沢がある。新築のように見える。人によっては「テカテカして安っぽい」と感じる一番汚れにくく、一番長持ち。表面がなめらかで汚れがつきにくい
    7分〜5分ツヤ少し光る程度。落ち着いて見えるツヤありよりやや落ちるが、十分
    3分ツヤ〜ツヤ消しマットで上品。塗った感じが出ないツヤを消す材料を混ぜるぶん、汚れやすく、やや耐久性が落ちることがある

    ツヤは2〜3年でだんだん落ちてきます。「ツヤありは光りすぎでは」と心配される方が多いですが、塗った直後が一番強く、自然に落ち着いていきます。長持ちを優先するなら、ツヤありか7分ツヤをおすすめしています。

    屋根・サッシ・玄関ドアとの組み合わせ

    外壁の色は単体で決めるものではなく、屋根・サッシ(窓枠)・玄関ドア・雨樋との組み合わせで決まります。今回塗り替えないものの色に合わせるのがコツです。

    ✓
    サッシ(窓枠)の色を先に見るサッシは塗り替えないことがほとんど。白・シルバー・ブラック・ブロンズ。この色と喧嘩しない外壁色を選ぶ
    ✓
    屋根との相性屋根も同時に塗るなら、屋根は外壁より濃い色にすると落ち着く。屋根が明るいと家が軽く見える
    ✓
    2色使いは「上下」か「凹凸」で分ける1階と2階で分ける、出っ張った部分だけ変える。同じ系統の濃淡にすると失敗しにくい。まったく違う色の組み合わせは難しい
    ✓
    付帯部(雨樋・破風・軒天)の色ここは外壁と屋根の間をつなぐ色。サッシの色に合わせるとまとまる
    ✓
    近所の家との調和地域によっては景観の決まりがあるところも。極端に浮く色は避ける

    失敗しない色の決め方(順番)

    土居建装で色を決めていただくときは、この順番で進めています。順番を飛ばさないのが一番の失敗防止です。

    順番やることポイント
    1カタログ・施工写真で好きな系統を3つくらいに絞るここではまだ決めない
    2A4の見本板を取り寄せる塗料メーカーから無料で取り寄せられる
    3見本板を屋外・壁に当てて見る。晴れ・曇り・朝・夕室内では見ない
    4気に入った色の1段階暗い色も一緒に見る面積効果を先に見込む
    5サッシ・屋根・玄関ドアと並べて見る写真に撮って全体で見る
    6決める。色番号を見積書・契約書に書く「白っぽい色」ではなく番号で残す

    土居建装の場合

    色決めでは、A4の見本板を取り寄せて、お客様の家の壁に当てて一緒に見ます。パソコンで作ったカラーシミュレーションもお見せしますが、画面の色は実物とズレるので、あくまで「雰囲気を見るもの」とお伝えしています。最後は必ず本物の見本板で決めていただきます。決めた色は色番号で契約書に残し、「思っていたのと違う」を防いでいます。

    まとめ

    ✓
    失敗で一番多いのは「思ったより明るい・派手」色は面積が大きいほど明るく見える。1段階暗い色を選ぶ
    ✓
    見本板は屋外で、壁に当てて、時間帯を変えて見る室内の照明では別の色に見える
    ✓
    汚れが目立ちにくいのは薄いグレー・ベージュ系真っ白・真っ黒・原色は覚悟がいる
    ✓
    ツヤありが一番長持ち。ツヤは2〜3年で落ち着く長持ち優先ならツヤありか7分ツヤ
    ✓
    サッシ・屋根・玄関ドアと一緒に決める。色番号を契約書に残す外壁だけで決めない

    「この色にしたいけど、うちの屋根と合うか分からない」「見本板をどこで取り寄せればいいか分からない」という方は、家の写真と気になっている色を送ってください。職人の目で、合うかどうか・汚れが目立たないかをお伝えします。

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    しつこい営業は一切しません。

    LINEで相談する写真を送るだけでOK・24時間受付090-5175-9407お電話はこちら(現場中は折り返します)

    ※営業電話は一切お断りしています。個人のお客様のみ、お見積もり無料です。

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    この記事を書いた人:土居建装 代表 土居

    現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。

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  • 外壁の種類別の注意点|サイディング・モルタル・ALC・タイル、うちの壁はどこを見ればいい?一級塗装技能士が解説

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    外壁塗装の基礎知識

    外壁の種類別の注意点

    サイディング・モルタル・ALC・タイル、うちの壁はどこを見ればいい?一級塗装技能士が解説

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「うちの外壁って、何でできてるの?」
    「サイディングとモルタル、塗り替えで何が違うの?」

    外壁は、材料によって傷み方も、見るべき場所も、塗装のやり方も違います。同じ「外壁塗装」でも、サイディングとモルタルでは工事の中身が変わります。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、よくある5種類の外壁の見分け方と、それぞれ「どこを見れば傷みが分かるか」「塗装で気をつけること」を、現場の目線でお伝えします。

    この記事の内容

    1まず「うちの壁」はどれ?見分け方

    2窯業系サイディング:目地のシーリングが命

    3金属サイディング:サビとへこみ

    4モルタル:ひび割れ(クラック)を見る

    5ALC:目地と水の吸い込み

    6タイル:塗らない。目地と浮きを見る

    75種類の比較表

    8まとめ

    →無料相談はこちら

    まず「うちの壁」はどれ?見分け方

    まず、ご自宅の外壁がどれかを知るところからです。近くで見ると、だいたい見分けがつきます。

    外壁の種類見た目の特ちょう見分けるコツ
    窯業系(ようぎょうけい)サイディング板を貼り合わせた壁。レンガ調・石目調・木目調など柄が豊富縦にゴムのような目地(シーリング)が一定間隔で入っている。今の家の7割以上がこれ
    金属サイディング金属の板。表面がつるっとしていて軽い叩くと金属の音がする。継ぎ目が少ない
    モルタル継ぎ目のない一枚の壁。ざらざら・でこぼこの吹き付け仕上げが多い目地がない。築25年以上の家に多い
    ALC厚いコンクリートのパネル。表面はモルタルに似ている目地が縦横に格子状に入っている。パネル1枚が大きい
    タイル焼き物のタイルを貼った壁表面が硬く、ツヤがあり、水をはじく

    迷ったときは、壁の写真(全体と、目地のアップ)を送ってもらえれば、写真で判断できます。

    窯業系サイディング:目地のシーリングが命

    窯業系サイディングは、セメントに繊維を混ぜて板にした外壁です。板の表面には工場で塗装がしてあり、その塗装が切れると板が水を吸って傷みます。

    見るところ

    ✓
    目地のシーリング(コーキング)ひび・やせ・はがれ・切れ。塗装より先にシーリングが切れることが多い(7〜10年が目安)
    ✓
    板の反り・浮き板の端が浮いている、釘が浮いている。水を吸って反った証拠
    ✓
    チョーキング(手に白い粉がつく)表面の塗装が終わっている合図
    ✓
    板の割れ・欠け釘のまわり、窓のまわりに出やすい

    塗装で気をつけること

    シーリングの打ち替えとセットで考えるのが基本です。外壁だけ塗ってシーリングを残すと、目地から水が入って、せっかくの塗装の内側から傷みます。また、板の表面が「光沢のある特殊な塗装(無機系・光触媒など)」の場合は、専用の下塗りでないと塗料がくっつきません。

    現場からの本音

    サイディングの家で一番多い相談が「壁は大丈夫そうだけど、目地が切れている」です。実は、それが正解の見方です。サイディングは目地から傷む。目地を見て切れていたら、塗り替えの時期が近いと思ってください。

    金属サイディング:サビとへこみ

    金属サイディングは、鉄やアルミの板の裏に断熱材が入った外壁です。軽くて丈夫ですが、金属なのでサビと傷が弱点です。

    見るところ

    ✓
    サビ(特に下の方・切り口・傷のところ)赤サビが出たら塗装が切れている。白サビ(アルミ)も同じ
    ✓
    へこみ・傷物が当たったところから塗装がはがれ、サビが広がる
    ✓
    継ぎ目・角のシーリング数は少ないが、切れると水が入る

    塗装で気をつけること

    サビをしっかり落として、金属用の下塗り(サビ止め)を塗ることが一番大事です。ここを省くと、上の塗料がすぐにはがれます。表面がつるつるなので、密着させる下塗りの選び方も重要です。

    モルタル:ひび割れ(クラック)を見る

    モルタルは、砂とセメントを混ぜて塗った、継ぎ目のない外壁です。築25年以上の家に多く、ひび割れ(クラック)が最大の弱点です。

    見るところ

    ひびの幅呼び方どうするか
    0.3mm未満(髪の毛くらい)ヘアクラック塗装で埋められる。下塗りにひびを埋めるフィラーを使う
    0.3mm以上構造クラック塗装だけではふさげない。ひびをVカットしてシーリングで埋めてから塗る
    壁を押すとふかふか・浮いている浮き・はく離塗装の前に、浮いた部分を落として塗り直す必要がある

    塗装で気をつけること

    ひびの幅で工事の中身が変わるので、現地調査でひびの幅を測ることが大事です。見積書に「クラック補修」の項目があるかどうかも見てください。また、フッ素や無機のような硬い塗料は、モルタルの動きについていけず割れることがあるので、ひびの多い家は弾性のある塗料を選ぶ方が安心です。

    現場からの本音

    モルタルの家で「ひびが気になる」と言われたら、まず幅を測ります。ヘアクラックなら塗装で十分、0.3mmを超えていたら補修が要る。ここを見ずに「塗れば大丈夫」と言う業者は、あとでひびが浮いて出てきます。

    ALC:目地と水の吸い込み

    ALC(軽量気泡コンクリート)は、中に小さな気泡がたくさん入った厚いコンクリートのパネルです。丈夫で燃えにくい反面、気泡があるので、塗装が切れると水をよく吸います。

    見るところ

    ✓
    パネルの目地(縦横の格子)ひび・やせ・はがれ。目地の数が多いので、ここから水が入りやすい
    ✓
    表面の白い粉・色あせ塗装が終わり、水を吸い始めている合図
    ✓
    パネルの欠け・ひび角や窓まわりに出やすい
    ✓
    コケ・藻北面や日陰。水を吸っている証拠

    塗装で気をつけること

    ALCは目地の量が多いので、シーリングの費用がサイディングより大きくなりがちです。また、水を吸いやすいので、下塗りをしっかり吸わせて、塗膜で水を止めることが大事です。

    タイル:塗らない。目地と浮きを見る

    タイルの外壁は、焼き物なのでタイルそのものは塗装しません。塗る必要がないのがタイルの良さです。ただし、「メンテナンスがいらない」わけではありません。

    見るところ

    ✓
    目地(タイルとタイルの間)ひび・やせ。ここから水が入って、裏のタイルが浮く
    ✓
    タイルの浮き・はがれ叩くと軽い音がする。落ちると危険
    ✓
    サッシまわりのシーリングここは塗装ではなくシーリングの打ち替え

    気をつけること

    タイルの家の工事は、目地の補修・浮いたタイルの貼り直し・シーリングの打ち替えが中心です。「タイルを塗装しましょう」と言われたら、理由を聞いてください。

    5種類の比較表

    外壁塗り替えの目安要注意の症状塗装のポイント
    窯業系サイディング10〜15年目地の切れ、板の反りシーリング打ち替えとセット。表面の種類に合う下塗り
    金属サイディング10〜15年サビ、へこみサビ落としと金属用の下塗り
    モルタル10〜15年ひび割れ、浮きひびの幅を測って補修。弾性のある塗料
    ALC10〜15年目地の切れ、水の吸い込み目地が多い。下塗りで水を止める
    タイル塗装は不要目地の切れ、タイルの浮き塗らずに目地・浮き・シーリングの補修

    土居建装の場合

    現地調査では、まず外壁の種類を確かめて、その外壁で傷みやすい場所を重点的に見ます。サイディングなら目地、モルタルならひびの幅、金属ならサビ。見た結果は写真つきでお渡しし、見積書には「何を補修して、どの下塗りを使うか」まで書きます。

    まとめ

    ✓
    外壁は5種類。まず「うちの壁」がどれかを知る目地の入り方で見分けられる
    ✓
    サイディングとALCは目地、モルタルはひび、金属はサビを見る外壁ごとに傷みやすい場所が違う
    ✓
    塗装の中身は外壁で変わる。下塗りと補修が要見積書に補修の項目があるか
    ✓
    タイルは塗らない。目地と浮きを補修する「タイルを塗る」と言われたら理由を聞く

    「うちの壁がどれか分からない」「この症状は大丈夫?」という方は、壁の写真(全体と、目地やひびのアップ)を送ってください。外壁の種類と、今どのくらい傷んでいるかを見てお伝えします。

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    この記事を書いた人:土居建装 代表 土居

    現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。

    © 土居建装 大阪府堺市美原区平尾2509-5

  • 台風・雹・雪の被害、火災保険で屋根や外壁の修理費が出ることがあります|風災・雹災・雪災の対象になる被害・ならない被害と、申請の流れを一級塗装技能士が解説

    営業電話は一切お断りしています。個人のお客様のみ/お見積もり無料
    屋根・外壁の被害と火災保険

    台風・雹・雪の被害、火災保険で屋根や外壁の修理費が出ることがあります

    風災・雹災・雪災の対象になる被害・ならない被害と、申請の流れを一級塗装技能士が解説

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「台風で屋根の板金が飛んだ」「雹(ひょう)でカーポートに穴があいた」「雪で雨樋が曲がった」

    こういう被害は、ご加入の火災保険で修理費が出ることがあります。火災保険は火事だけの保険ではなく、多くの契約に「風災・雹災・雪災」の補償が入っているからです。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、どんな被害が対象になるのか、対象にならないのはどんな場合か、申請はどう進めるのかを、現場の目線でお伝えします。土居建装は保険の代理店ではありません。申請はご本人で行っていただく前提で、職人として知っておいてほしいことをまとめています。

    この記事の内容

    1火災保険は「火事」だけの保険ではない

    2対象になる被害・ならない被害

    3屋根・外壁でよくある「風災」の被害

    4申請の流れ(ご自身で申請できます)

    5気をつけること:時効・免責・「今なら無料」の業者

    6土居建装ができること

    7まとめ

    →無料相談はこちら

    火災保険は「火事」だけの保険ではない

    火災保険は名前のとおり火事の保険ですが、一般的な住宅の火災保険には、自然災害の補償がセットで入っていることがほとんどです。

    補償の名前どんな被害か屋根・外壁での例
    風災台風・強風・竜巻など、風による被害棟板金が飛んだ、瓦がずれた、雨樋が外れた
    雹災(ひょうさい)雹(ひょう)による被害カーポートや波板に穴、スレート屋根の割れ
    雪災雪の重み・落雪による被害雨樋が曲がった、カーポートがつぶれた

    この3つは「風災・雹災・雪災」で1つの枠になっていることが多く、どれか1つに入っていれば、ほかの2つも同じ扱いです。まずは保険証券(または保険会社のアプリ・マイページ)で、この枠が入っているかを見てください。

    現場からの本音

    屋根の上の被害は、地上からは見えません。台風のあと「何も変わっていない」と思っていても、棟板金の釘が浮いていたり、瓦が1枚ずれていたりします。台風・大雪のあとは、一度は屋根を見てもらうのが、雨漏りを防ぐ一番の近道です。

    対象になる被害・ならない被害

    火災保険の風災などは、「突発的・偶発的に起きた自然現象による被害」が前提です。ここを分けて考えると、対象になるかどうかが見えてきます。

    対象になりやすい対象にならない
    原因台風・突風・雹・大雪など、いつ起きたか分かる自然現象経年劣化(古くなってサビた・割れた)、施工不良
    地震—地震・噴火・津波の被害は火災保険の風災では出ません(地震保険の範囲)
    時期被害から3年以内の請求3年を過ぎたもの(時効)
    金額免責(自己負担)の条件を超えたもの免責の範囲内の小さな被害

    一番多いのが、「経年劣化」との線引きです。古くなって傷んだところは、風で飛んでも「もともと劣化していた」と判断されることがあります。逆に、まだ傷んでいない部分が台風で飛んだなら、風災として認められやすくなります。最終的に判断するのは保険会社です。

    屋根・外壁でよくある「風災」の被害

    現場でよく見る、風災・雹災・雪災の被害はこんなものです。

    ✓
    棟板金(むねばんきん)の飛散・浮き屋根のてっぺんの金属の板。台風で一番飛びやすい。釘が浮いてバタつくところから始まる
    ✓
    瓦のずれ・割れ・飛散強風であおられてずれる。1枚でも下地に水が入る
    ✓
    スレート屋根の割れ・欠け飛来物や雹で割れる。放っておくと雨漏り
    ✓
    雨樋の変形・外れ雪の重み、強風。樋が外れると外壁に水が回る
    ✓
    波板・カーポート・テラス屋根の破損雹で穴があく、強風で飛ぶ。被害が分かりやすい
    ✓
    外壁のひび・穴(飛来物)看板や隣家の物が飛んできて当たった

    ポイントは、被害の写真を「直す前に」撮っておくことです。直してしまうと、被害の証拠がなくなります。ご自身で撮れない高い所は、点検のときに土居建装が撮影します。

    申請の流れ(ご自身で申請できます)

    申請は、ご本人が保険会社に連絡して進めます。難しいものではありません。流れはこうです。

    順番やることだれが
    1被害を見つけたら、写真を撮る(直す前に)ご本人・土居建装
    2保険会社(または代理店)に電話し「風災で申請したい」と伝えるご本人
    3保険会社から届く申請書類に記入するご本人
    4被害の写真と修理の見積書を添えて提出する見積書と写真は土居建装が作成
    5必要なら保険会社の鑑定人が現地を見に来る保険会社
    6保険金の金額が決まり、振り込まれる保険会社
    7保険金が出てから、修理をするか決めるご本人

    順番で大事なのは「保険金が決まってから工事の契約をする」ことです。先に契約してしまうと、保険金が出なかったときに全額自己負担になります。

    気をつけること:時効・免責・「今なら無料」の業者

    ✓
    時効は3年被害を受けた日から3年で請求できなくなる。自費で直したあとでも、3年以内で写真と領収書があれば請求できる可能性がある
    ✓
    免責(自己負担)には2つの方式がある「20万円以上の被害なら全額出る(20万円未満は出ない)」方式と、「決めた免責額(5万円など)を引いた分が出る」方式。どちらかは保険証券に書いてある
    ✓
    「保険で必ず出ます」と言い切る業者には注意保険金が出るかどうかは保険会社が決める。工事前に「無料」と言い切ることはできない。先に契約を迫る業者は断る
    ✓
    申請代行の「手数料」に注意保険金の30〜40%を手数料として取る業者がいる。申請はご本人でできるもので、代行は必要ない
    ✓
    保険金は「修理費」として使うもの保険金を受け取って修理しないと、次の被害のときに支払われないことがある

    現場からの本音

    火災保険の話は、悪い使われ方が多い分野です。「今なら保険で無料」と訪問してくる業者がいたら、その場で決めないでください。保険会社に自分で電話するのが一番確実で、お金もかかりません。

    土居建装ができること

    土居建装は保険の代理店ではなく、申請の代行もしません。職人としてできるのは、保険会社に出すための材料をきちんと作ることです。

    土居建装の場合

    火災保険が使える可能性のある箇所は、写真と見積書をきちんとお作りしてお渡しします。申請はご本人で。手数料はいただきません。

    点検で見つけた被害は、「風災の可能性があるところ」と「経年劣化のところ」を分けてお伝えします。全部が保険で出るような言い方はしません。

    まとめ

    ✓
    火災保険には「風災・雹災・雪災」の補償が入っていることが多いまず保険証券を確認
    ✓
    対象は「突発的な自然現象」の被害。経年劣化・地震は対象外地震は地震保険の範囲
    ✓
    写真は直す前に撮る。申請はご本人で。契約は保険金が決まってから順番を守れば損をしない
    ✓
    時効は3年。免責の方式は保険証券に書いてある自費で直したあとでも3年以内なら請求できる可能性
    ✓
    「保険で無料」「申請代行で手数料」の業者は断る保険会社に自分で電話するのが一番確実

    「台風のあと、屋根がどうなっているか見てほしい」「これは保険の対象になるのか知りたい」という方は、被害の写真を送ってください。風災の可能性があるかどうか、職人の目で見てお伝えします。

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  • 外壁塗装の費用100万円の内訳|足場・シーリング・3回塗り、何にいくらかかるかを一級塗装技能士が解説

    ※営業電話は一切お断りしております。個人のお客様のお見積もりのみ承っております。

    「外壁塗装って、なんで100万円もするの?」「塗料代なんて、そんなにしないでしょ?」「見積書を見ても、どこにお金がかかっているのか分からない」

    外壁塗装の見積もりを初めて見た方は、ほぼ全員がこう感じます。実際、一般的な2階建てのお家で税込100〜130万円くらいが相場です。決して安い買い物ではありません。

    ただ、この100万円は「塗料代」ではありません。足場・洗浄・養生・シーリング・下地補修・3回の塗装・付帯部・諸経費と、10前後の項目の積み重ねです。この記事では、その内訳を一つずつ、金額の目安つきで説明します。読み終わるころには、手元の見積書のどこを見ればいいかが分かるはずです。

    この記事の内容

    1. 100万円の中身をざっくり:何に何割かかっているか
    2. 項目ごとの内訳と金額の目安
    3. 金額を一番左右するのは「塗料のグレード」と「面積」
    4. 見積書に「一式」が多いと危ない理由
    5. 高くなる家・安くなる家
    6. 正しい安くし方と、やってはいけない削り方
    7. まとめ

    1. 100万円の中身をざっくり:何に何割かかっているか

    まず全体像です。細かい項目に入る前に、「だいたい何にどれくらい」を押さえておくと、見積書が読みやすくなります。

    かたまり 割合の目安 中身
    塗装工事(3回塗り) 約40% 下塗り・中塗り・上塗りの手間と塗料代
    足場 約20% 組立・解体・メッシュシート
    シーリング・下地補修 約15% 目地・窓まわりの打ち替え、ひび割れの補修
    付帯部の塗装 約10% 雨樋・破風・軒天・雨戸・水切りなど
    高圧洗浄・養生 約5% 汚れ落としと、塗らない所を守るビニール張り
    諸経費 約5〜10% 廃材処分・運搬・保険・駐車場など

    意外に思われるのは、塗料そのものの材料代は全体の2割前後だという点です。残りは「人の手間」と「安全に、きれいに塗るための準備」です。だから「塗料代なんてそんなにしない」は正しくて、それでも100万円かかるのです。

    2. 項目ごとの内訳と金額の目安

    ここからが本題です。一般的な2階建て・延床30坪前後・外壁面積150㎡くらいのお家を例に、項目ごとの目安を出します。お家の大きさ・傷み具合・塗料で上下するので、あくまで「だいたいこの辺」として見てください。

    項目 単価の目安 例の家では ポイント
    仮設足場 700〜1,000円/㎡ 18〜25万円 足場面積(外周+8m)×高さ で計算。㎡数が書いてあるか
    高圧洗浄 150〜300円/㎡ 2〜4万円 チョーキングの粉・コケを落とす。ここを省くと塗料がくっつかない
    養生 一式 3〜5万円 3〜5万円 窓・床・車・植木をビニールで守る。仕上がりの境目のきれいさはここで決まる
    シーリング打ち替え 800〜1,200円/m 10〜18万円 サイディングの目地・窓まわり。「打ち替え」か「増し打ち」かで単価が違う
    下地補修 傷みによる 1〜5万円 ひび割れ、欠け、浮きの補修。現地調査でどこまでやるか決める
    下塗り 600〜900円/㎡ 9〜13万円 外壁と上塗りをくっつける。下塗り材の商品名が書いてあるか
    中塗り+上塗り 1,800〜5,000円/㎡
    (塗料で変わる)
    27〜45万円 2回分の金額。上塗り塗料の商品名が書いてあるか。次の項目で詳しく
    付帯部塗装 部位ごとにm・㎡単価 8〜15万円 雨樋・破風・軒天・雨戸・水切り・シャッターボックスなど。抜けている部位がないか
    諸経費 総額の5〜10% 5〜10万円 廃材処分・運搬・保険・駐車場代。何が入っているか聞いていい
    合計(税込) 約100〜130万円 外壁のみ。屋根を同時にやる場合は別途

    見てほしいのは、「塗装」が下塗りと中塗り・上塗りの2行に分かれていることです。この2つは使う塗料が違うので、まともな見積書なら別の行になります。「塗装工事一式」と1行にまとまっている見積書は、何を何回塗るのかが分かりません。

    現場からの本音

    相見積もりで「A社は90万、B社は120万」と差が出たとき、単価の差だと思う方が多いですが、実際に見比べると面積(数量)が違うことがよくあります。同じ家なら、外壁の面積は誰が測っても大きくは変わらないはずです。安いほうの見積書の㎡数が明らかに少なければ、それは安いのではなく「塗る所が少ない」だけです。

    3. 金額を一番左右するのは「塗料のグレード」と「面積」

    内訳の中で、お客様が選べて、しかも金額が大きく動くのが上塗り塗料のグレードです。同じ150㎡の家でも、塗料で20〜30万円変わります。

    グレード 中塗り+上塗りの単価目安 もつ年数の目安 向いている人
    シリコン 1,800〜2,500円/㎡ 10〜13年 費用を抑えたい。10年後にまた塗る前提
    ラジカル制御 2,200〜3,000円/㎡ 12〜15年 今いちばん選ばれている。値段と持ちのバランス
    フッ素 3,000〜4,500円/㎡ 15〜20年 次の塗り替えをできるだけ先にしたい
    無機 3,500〜5,000円/㎡ 20年前後 長く住む家。足場代を払う回数を減らしたい

    「高い塗料=ぼったくり」ではありません。足場代は塗料に関係なく毎回かかるので、長く持つ塗料にして塗り替えの回数を減らすほうが、30年で見るとトータルは安くなることが多いです。逆に「あと10年で建て替える」なら、シリコンで十分です。ここは住む年数で決めるところです。

    もう一つが面積です。外壁の面積は「延床面積 × 1.2〜1.5」くらいが目安になります。30坪(約100㎡)の家なら外壁120〜150㎡。見積書の㎡数がこれと大きくズレていたら、測り方を聞いてみてください。

    4. 見積書に「一式」が多いと危ない理由

    「一式」は便利な言葉です。養生や諸経費のように、数量で出しにくいものに使う分には問題ありません。危ないのは、数量で出せるものまで「一式」になっている見積書です。

    数量・単価が書いてあるべき項目 「一式」でも仕方ない項目
    ◯ 足場(㎡)
    ◯ 高圧洗浄(㎡)
    ◯ シーリング(m)
    ◯ 下塗り(㎡・商品名)
    ◯ 中塗り・上塗り(㎡・商品名)
    ◯ 付帯部(部位ごとに m か ㎡)
    △ 養生
    △ 下地補修(ただし内容は書いてほしい)
    △ 諸経費(中身を聞けば答えてくれるはず)
    △ 廃材処分

    「外壁塗装工事 一式 980,000円」と1行しかない見積書は、比べようがありません。何㎡を、何の塗料で、何回塗るのか。それが書いていない見積書には、あとから「それは含まれていません」が出てきやすいです。

    5. 高くなる家・安くなる家

    同じ「30坪」でも、金額は家によって変わります。見積もりが相場より高いとき、業者が悪いのではなく、家の条件で手間が増えていることも多いです。

    条件 なぜ変わるか
    3階建て 足場の面積が増え、高所作業の手間も増える。足場代だけで+5〜10万円
    隣との隙間が狭い 足場の組み方が特殊になる。塗る作業も窮屈で時間がかかる
    傷みが進んでいる ひび割れ補修、シーリング全打ち替え、下塗り2回など、下地の手間が増える
    窓が多い・形が複雑 養生とシーリングのm数が増える。凹凸が多いと塗る手間も増える
    屋根・付帯部を同時に 金額は上がるが、足場代が1回で済む。別々にやるより合計は安い
    早めに塗り替える 傷みが浅いうちなら下地補修が少なくて済む。放置するほど高くなる

    6. 正しい安くし方と、やってはいけない削り方

    「少しでも安くしたい」は当然です。ただ、削っていい所と、削ると数年後に倍かかる所があります。

    やっていい安くし方 やってはいけない削り方
    ◯ 屋根・付帯部・シーリングを同時にやって足場を1回にする
    ◯ 住む年数に合わせて塗料のグレードを選ぶ
    ◯ 相見積もりは「数量と塗料名」をそろえて比べる
    ◯ 職人直営の業者に頼む(営業マンの人件費がない)
    ◯ 傷みが浅いうちに塗る
    ✕ 下塗りを省く
    ✕ 上塗りを1回にする(2回塗り)
    ✕ シーリングを打ち替えず「増し打ち」で済ます
    ✕ 高圧洗浄を省く・乾く前に塗る
    ✕ 足場なしではしごで塗る
    ✕ 「今日契約なら30万引き」に乗る

    右の列は、どれも塗った直後には分かりません。3〜5年後に色あせ・はがれ・雨漏りで出てきて、次の塗り替えが早く来ます。足場代をもう一回払うことになるので、結局は高くつきます。

    土居建装の場合

    見積書は、足場・洗浄・シーリング・下塗り・中塗り・上塗り・付帯部を全部別の行にして、㎡数・m数と単価を書きます。塗料はメーカー名と商品名まで書きます。営業マンを置かず、現地調査から見積もり、施工、引渡し後の点検まで私一人で行っているので、その分の人件費は見積もりに乗っていません。「この行は何?」と聞かれたら、全部答えられる見積書しか出しません。

    7. まとめ

    • ✓ 外壁塗装の相場は税込100〜130万円くらい。塗料代は2割、残りは手間と準備
    • ✓ 大きな塊は「塗装4割・足場2割・シーリング下地1.5割・付帯部1割」
    • ✓ 金額を動かすのは塗料のグレードと面積。住む年数でグレードを決める
    • ✓ 足場・洗浄・シーリング・塗装・付帯部は、㎡・mと単価が書いてあるのが普通。「一式」だらけは要注意
    • ✓ 相見積もりの差は、単価より数量と項目の抜けを見る
    • ✓ 安くするなら「足場を1回で使い切る」「塗料で調整」。工程を削るのは結局高くつく

    「もらった見積書が高いのか安いのか分からない」「一式ばかりで中身が見えない」という方は、見積書の写真を送ってください。数量・塗料・抜けている項目がないかを見て、正直にお伝えします。他社さんの見積もりを見るだけでも大丈夫です。

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  • 外壁塗装の足場代はなぜ必要?相場の目安と「足場代無料」の中身を、足場作業主任者が解説

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    「見積書の足場代、20万円もするの?」「塗るだけなのに、なんで足場がいるの?」「足場代無料って書いてある業者があったけど、あれは何?」

    外壁塗装の見積もりで、お客様が一番引っかかるのが足場代です。塗料でも工事でもない、終わったら外してしまうものに20万円近く払う。納得しにくいのは当然だと思います。

    この記事では、足場作業主任者の資格を持って自分で足場を組んでいる立場から、足場が何のためにあるのか、足場代はどう決まるのか、「足場代無料」の中身は何なのかを、現場の実際に沿って説明します。

    この記事の内容

    1. 足場は何のためにある?(安全・仕上がり・法律)
    2. 足場代の目安と、計算の仕方
    3. 「足場代無料」「足場代サービス」の中身
    4. 戸建てで使う足場の種類
    5. 足場がある間の暮らし:洗濯物・窓・車・防犯
    6. 近隣挨拶と、組立から解体までの流れ
    7. まとめ:足場は「一回で使い切る」のが一番安い

    1. 足場は何のためにある?(安全・仕上がり・法律)

    足場の役目は、大きく3つあります。順番に言うと、職人の安全、仕上がりの質、そして法律です。

    役目 足場があると 足場がないと
    安全 両手が使える。2階の軒下でも安定して作業できる はしごや脚立は片手がふさがる。落ちたら大けが
    仕上がり 壁の正面に立って、同じ距離・同じ力で塗れる。塗り残し・ムラが出にくい 届く所だけ、体をひねって塗る。軒天・雨樋の裏・窓まわりが雑になる
    法律 高さ2m以上の作業には、落ちないための作業床(足場)などが法律で義務づけられている 法律違反。事故が起きれば、お客様も巻き込まれる

    「安全のため」はよく言われますが、私が一番強調したいのは仕上がりです。塗装は「壁の正面に立てるかどうか」で出来が変わります。はしごの上で体をひねりながら塗った壁と、足場の上でまっすぐ向き合って塗った壁は、3年後に差が出ます。

    それと、高圧洗浄・シーリングの打ち替え・下塗り・中塗り・上塗り。外壁塗装は家の全面を最低5〜6回は行き来する仕事です。1回だけならはしごでも何とかなるかもしれませんが、6回はどう考えても無理です。

    現場からの本音

    足場は「組んであればいい」ものではありません。ガタつく足場、壁から離れすぎている足場、手すりのない足場では、職人は無意識に体を守る方に力を使います。そうなると塗りが雑になる。足場の組み方の質は、そのまま塗装の質に出ます。だから私は、自分の現場の足場は自分で組みます。

    2. 足場代の目安と、計算の仕方

    足場代は「一式いくら」ではなく、足場の面積 × 平米単価で決まります。ここを知っておくと、見積書の足場代が高いのか安いのかを自分で判断できます。

    足場の面積の出し方(目安)

    (家の外周 + 8m)× 高さ = 足場の面積
    ※外周に8mを足すのは、足場が壁から少し離れて組まれるため。高さは軒の高さに少し余裕を足します。

    項目 目安
    足場の平米単価 700〜1,000円/㎡くらい(組立・解体・運搬込み)
    飛散防止のメッシュシート 100〜200円/㎡くらい(足場代に含む業者も多い)
    一般的な2階建て(30坪前後) 足場面積 250〜300㎡ → 15〜25万円くらい
    高くなる条件 3階建て、隣との隙間が狭い、道路から遠くて資材が運びにくい、傾斜地

    見積書で見てほしいのは、足場の「㎡数」と「単価」が書いてあるかです。「足場一式 200,000円」としか書いていない見積書は、根拠が分かりません。㎡数が書いてあれば、上の計算で「うちの家ならだいたいこれくらい」と照らし合わせられます。

    3. 「足場代無料」「足場代サービス」の中身

    チラシやネットで「今なら足場代無料」「足場代サービス」という言葉を見たことがあると思います。はっきり言います。足場は無料にはなりません。材料の運搬、組立、解体に人と時間がかかる以上、誰かが払っています。

    「無料」のからくり 実際に起きていること
    ほかの項目に上乗せ 塗装の㎡単価や「諸経費」に足場代が溶け込んでいる。合計はほぼ同じか、むしろ高い
    どこかを削っている 上塗りを1回減らす、下塗りを省く、安い塗料に変える。「足場代分」を工事の中身で回収している
    足場そのものを省く はしご・脚立で塗る。安全面も仕上がりも、この記事の1番で書いた通り
    契約を急がせる材料 「今日決めてくれたら足場代無料」。値引きの理由が工事の中身と関係ない

    足場代は見積書に、面積と単価つきで正直に書いてあるのが一番安心です。「無料」と書いてある見積書ほど、ほかの行をよく見てください。

    4. 戸建てで使う足場の種類

    戸建ての塗装で使う足場は、ほとんどがくさび緊結式(けんけつしき)足場です。ハンマーでくさびを打ち込んで組む足場で、「ビケ足場」と呼ぶこともあります。

    種類 特徴 使う場面
    くさび緊結式足場 幅のある作業床と手すりがある。安定していて、両手で作業できる。組立・解体が早い 一般的な戸建て。基本はこれ
    単管足場 鉄パイプをクランプで組む。作業床が狭く、パイプの上に立つ形になる 隣との隙間が狭くて、くさび式が入らない所
    単管ブラケット足場 単管にブラケット(腕)をつけて板を渡す。単管足場より作業床が広い 狭い所で、少しでも作業床を確保したいとき

    隣の家との隙間が40〜50cmしかない、というお家は堺市周辺にも多いです。そういう場所は、くさび式が入らない面だけ単管で組むなど、家ごとに組み方を変えます。「うちは狭いから足場が組めないと言われた」という方も、一度ご相談ください。

    5. 足場がある間の暮らし:洗濯物・窓・車・防犯

    足場が組まれている期間は、だいたい2週間前後です。その間、暮らしの中で気をつけてほしいことをまとめます。

    こと どうなるか・どうすればいいか
    洗濯物 高圧洗浄の日と塗装の日は外に干せません。塗料のにおいやミストがつきます。部屋干しか、乾燥機をお願いします。干せる日・干せない日は工程表でお伝えします
    窓 塗装中は窓をビニールで養生するので、開けられない日があります。エアコンは使えます(室外機は養生しても動くようにします)
    車 敷地内の車は、高圧洗浄・塗装の日はカバーをかけるか、少し離れた所へ。飛散防止シートを張っていても、風向きで細かい塗料が飛ぶことがあります
    防犯 足場は2階の窓まで人が登れる状態です。工事期間中は2階の窓も必ず施錠してください。夜はメッシュシートで外から見えにくくなるので、なおさらです
    音 組立の日と解体の日は、金属を打つ音が出ます(各半日〜1日)。それ以外の日は静かです

    6. 近隣挨拶と、組立から解体までの流れ

    足場で一番トラブルになりやすいのは、実はお客様のお家ではなくお隣です。組立の音、メッシュシートで日当たりが変わる、隙間が狭ければお隣の敷地に少し入らせてもらうこともある。だから近隣挨拶は足場を組む前が鉄則です。

    順番 やること 目安
    1 近隣挨拶(工事の期間・音の出る日・連絡先を伝える) 組立の数日前
    2 足場の組立+メッシュシート張り 半日〜1日
    3 高圧洗浄 → 養生 → シーリング → 下塗り → 中塗り → 上塗り → 付帯部 10日前後(天気で前後)
    4 足場の上から最終チェック(塗り残し・タッチアップ)。解体前にお客様にも見てもらう 解体の前日〜当日
    5 足場の解体・搬出、周りの掃除、近隣へお礼 半日〜1日

    4番が大事です。足場を外してから「ここが塗れていない」と気づいても、もう手が届きません。だから解体の前に、足場の上から全部見て回ります。気になる所があれば、この段階で言ってください。

    土居建装の場合

    足場作業主任者の資格を持ち、自分の現場の足場は自分で組んでいます。近隣挨拶も、営業マンではなく、実際に工事をする私が自分で回ります。「音が出る日はこの日です」「何かあればこの番号に」と、現場を知っている人間が直接お伝えするのが一番トラブルが少ないからです。見積書には、足場の㎡数と単価を必ず書きます。

    7. まとめ:足場は「一回で使い切る」のが一番安い

    最後に、足場代を一番ムダにしない考え方をお伝えします。足場は組んでいる間に、高い所の工事を全部やってしまうのが一番得です。

    外壁だけ塗って、3年後に屋根を塗ろうとすると、足場代をもう一回払うことになります。屋根、雨樋、破風、軒天、シーリング。「まだ大丈夫かな」という所も、足場があるうちに一緒にやるほうが、トータルでは安くなることがほとんどです。

    • ✓ 足場は安全のためだけでなく、仕上がりのため。壁の正面に立てるかどうかで3年後が変わる
    • ✓ 足場代は「面積 × 単価」。一般的な2階建てで15〜25万円くらいが目安
    • ✓ 「足場代無料」は無料ではない。ほかの行に溶けているか、工事の中身が削られている
    • ✓ 工事中は2階の窓も施錠。洗濯物・車は工程表を見て
    • ✓ 解体前に、足場の上から一緒に最終チェック。外してからでは届かない
    • ✓ 屋根・付帯部・シーリングは、足場があるうちに一緒に。足場は一回で使い切る

    「見積書の足場代が妥当か見てほしい」「うちは隣との隙間が狭いけど、足場が組めるのか」という方は、見積書の写真やお家の写真を送ってください。足場を自分で組んでいる人間の目で、正直にお答えします。

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    この記事を書いた人

    土居建装 代表 土居。現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条。

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  • 外壁塗装の「3回塗り」って何?下塗り・中塗り・上塗りの役割と、2回塗りとの違いを一級塗装技能士が解説

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    外壁塗装の基礎知識

    外壁塗装の「3回塗り」って何?

    下塗り・中塗り・上塗りの役割と、2回塗りとの違いを一級塗装技能士が解説

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「見積書に『3回塗り』って書いてあるけど、何を3回塗るの?」
    「同じ色を2回塗る意味あるの?」

    外壁塗装は、1回で塗り終わるものではありません。役目の違う塗料を、順番に、乾かしながら重ねていく仕事です。ここを知っておくと、見積書の見方も、工事中に何をしているかも分かるようになります。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、3回塗りのそれぞれの役割、なぜ回数を減らしてはいけないか、本当に3回塗っているか確かめる方法を、現場の目線でお伝えします。

    この記事の内容

    13回塗りとは?1回ごとの役割

    2下塗り:外壁と塗料をくっつける「接着剤」

    3中塗り・上塗り:色と厚みで外壁を守る

    4乾燥時間:急ぐと全部ムダになる

    52回塗りにされると、どうなるか

    6本当に3回塗っているか、確かめる方法

    7まとめ

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    3回塗りとは?1回ごとの役割

    外壁塗装の基本は「下塗り1回+上塗り2回」の合計3回です。上塗りの1回目を「中塗り」、2回目を「上塗り」と呼ぶこともあります。同じことです。

    回呼び方使う塗料役割
    1回目下塗り下塗り材(シーラー・フィラー・プライマー)外壁と上の塗料をくっつける。傷んだ外壁を固める
    2回目中塗り(上塗り1回目)上塗り塗料(色のついた塗料)厚みを作る。色のムラをなくす
    3回目上塗り(上塗り2回目)中塗りと同じ塗料仕上げ。ツヤと防水の塗膜を完成させる

    ポイントは、1回目と2〜3回目は「別の塗料」だということ。下塗りは色を出すためではなく、くっつけるための塗料です。だから見積書には「下塗り材の商品名」と「上塗り塗料の商品名」の2つが書いてあるのが正解です。

    下塗り:外壁と塗料をくっつける「接着剤」

    古い外壁の表面は、粉をふいていたり(チョーキング)、細かいひびがあったり、水を吸いやすくなっていたりします。その上に色のついた塗料をそのまま塗っても、くっつかずに数年ではがれます。

    下塗り材は、その傷んだ表面に染み込んで固め、上の塗料が食いつく土台を作ります。外壁の状態によって、使う下塗り材が変わります。

    下塗り材どんな外壁に使うか
    シーラー傷みが軽い外壁。染み込んで固める。透明か白
    フィラー(微弾性フィラー)モルタル外壁や、細かいひびが多い外壁。厚みがあり、ひびを埋めながら塗れる
    プライマー金属(鉄部・板金)やサイディングの一部。密着させるための下塗り
    錆止め(さびどめ)鉄部専用。サビを落としたあとに塗る

    現場からの本音

    下塗りは塗ってもほぼ透明か白なので、お客さんからは「塗った」ように見えません。だから省かれやすい。でも、塗装が長持ちするかどうかの7割は下塗りで決まると思っています。土居建装では、下塗りを塗った状態の写真を必ず撮ってお渡しします。

    中塗り・上塗り:色と厚みで外壁を守る

    下塗りが乾いたら、色のついた塗料を2回塗ります。「同じ塗料を2回塗る意味があるの?」とよく聞かれますが、意味は2つあります。

    ✓
    塗膜の厚みを作るメーカーは「この塗料は1回で〇ミクロン、2回で〇ミクロン」と決めている。1回だと規定の半分の厚みにしかならず、耐用年数も半分になる
    ✓
    塗り残し・ムラをなくす1回目でどうしても薄い所・塗り残しが出る。2回目でそれを消す。1回目と2回目で少し色を変えて、塗り残しが見えるようにする職人もいる

    塗膜の厚みは、目には見えません。だから「1回でも2回でも見た目は同じ」に見えます。違いが出るのは3〜5年後です。

    乾燥時間:急ぐと全部ムダになる

    3回塗りには、もう1つ大事なことがあります。1回塗るごとに、決められた時間乾かすことです。メーカーが塗料ごとに「次を塗るまで〇時間以上」と決めています(多くは3〜4時間以上、気温が低いと1日)。

    やってはいけないこと何が起きるか
    下塗りが乾く前に中塗りをする下塗りが固まらず、密着しない。数年ではがれる
    中塗りが乾く前に上塗りをする塗膜の中に湿気が残り、ふくれ・割れの原因になる
    雨の日・湿度の高い日に塗る塗料が水を含んで白くにごる、密着しない
    1日で3回塗ってしまう乾燥時間を守れていない証拠。「1日で終わりました」は要注意

    だから、外壁塗装は塗装だけで最低3日、普通は4〜5日かかります。足場・洗浄・養生・シーリングを含めると、全体で2週間前後です。「3日で全部終わります」という業者は、どこかを省いています。

    2回塗りにされると、どうなるか

    安い見積もりで一番多い手口が、上塗りを1回にして「2回塗り」で済ませることです。材料も手間も3分の1減るので、1軒で15〜20万円安くできます。

    3回塗り2回塗り(上塗り1回)
    塗った直後きれいきれい(見分けがつかない)
    塗膜の厚みメーカー規定通り規定の半分〜3分の2
    3年後変化なしツヤが落ち、色あせが出始める
    5年後変化なし〜わずかな色あせチョーキング・部分的なはがれ
    次の塗り替え10〜15年後5〜8年後(足場代がもう1回かかる)

    「安い」と思って2回塗りにすると、次の塗り替えが早く来て、足場代15〜20万円をもう1回払うことになります。結局、3回塗りのほうが安いです。

    本当に3回塗っているか、確かめる方法

    塗膜の厚みは目で見えません。でも、工事中なら確かめる方法があります。

    ✓
    見積書に「下塗り材の商品名」と「上塗り塗料の商品名」の2つが書いてあるか1つしか書いていなければ、下塗りをしない可能性
    ✓
    工程表(スケジュール)をもらう「下塗り 〇日、中塗り 〇日、上塗り 〇日」と日が分かれているか
    ✓
    塗料の缶の数を聞く上塗り2回分の缶数か。150㎡なら15kg缶で3〜4缶が目安
    ✓
    各工程の写真をもらう下塗り(白っぽい状態)→中塗り→上塗りの写真。まともな業者は頼まなくても撮っている
    ✓
    工事中に外壁を見る下塗りの日は外壁が白っぽい。翌日以降に色がつく。1日で色まで仕上がっていたら乾燥時間を守っていない

    土居建装の場合

    下塗り・中塗り・上塗りの3工程すべての写真を撮って、工事後にまとめてお渡しします。塗料の缶数は、塗料屋さんへの発注数と塗った面積が合っていればメーカーの「グッジョブ保証」が付く仕組みなので、缶数をごまかすと保証が付きません。つまり、ごまかしようがない形で施工しています。

    まとめ

    ✓
    3回塗り=下塗り1回+上塗り2回。下塗りは「くっつける」、上塗り2回は「厚みと仕上げ」下塗りと上塗りは別の塗料
    ✓
    1回ごとに乾燥時間が要る。塗装だけで最低3日「1日で終わった」は危ない
    ✓
    2回塗りは3〜5年で色あせ・はがれ。次の足場代で結局高くつく安さの理由はここ
    ✓
    見積書に塗料名が2つあるか、工程表と写真をもらえるか工事中なら確かめられる

    「前に塗ってもらったけど、何回塗ったか分からない」「見積書に塗料が1つしか書いていない」という方は、見積書の写真を送ってください。何を何回塗る内容になっているか、見て説明します。

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    土
    この記事を書いた人:土居建装 代表 土居

    現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。

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  • スレート屋根の「縁切り(タスペーサー)」とは?やらないと雨漏りする理由と、見積書での確認方法を一級塗装技能士が解説

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    屋根塗装の基礎知識

    スレート屋根の「縁切り(タスペーサー)」とは?

    やらないと雨漏りする理由と、見積書での確認方法を一級塗装技能士が解説

    執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)

    「屋根を塗ってもらったのに、そのあと雨漏りが始まった」

    実はこれ、珍しい話ではありません。原因の多くは、塗装で屋根の「隙間」をふさいでしまったこと。スレート屋根には、わざと空けておかないといけない隙間があります。

    この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、縁切り(えんきり)とは何か、なぜ必要か、タスペーサーという部品の役目、費用、見積書での確認の仕方を、現場の目線でお伝えします。

    この記事の内容

    1スレート屋根には「わざと空けている隙間」がある

    2縁切りとは?塗るとなぜ隙間がふさがるのか

    3縁切りをしないとどうなるか

    4タスペーサーとは?昔の縁切りとの違い

    5費用の目安と、見積書での確認方法

    6縁切りが「いらない屋根」もある

    7まとめ

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    スレート屋根には「わざと空けている隙間」がある

    スレート(コロニアル・カラーベスト)は、薄い板を下から順に重ねて張っていく屋根です。板と板の重なりの部分には、わずかな隙間があります。これは欠陥ではなく、わざと空けてあるものです。

    理由は、屋根の中に入った水を外に出すため。強い雨や風で、重なりの奥まで水が入ることがあります。その水は、隙間から下の板の表面に流れて、そのまま軒先へ出ていきます。屋根の内側にこもった湿気も、この隙間から抜けます。

    一言でいうと

    スレート屋根の隙間は「水の逃げ道」と「空気の通り道」。ここをふさぐと、水が屋根の中にたまります。

    縁切りとは?塗るとなぜ隙間がふさがるのか

    屋根を塗装すると、塗料は液体なので、板の重なりの隙間に流れ込みます。乾くと、上の板と下の板が塗料でくっついて、隙間がふさがってしまう。これが問題です。

    「縁切り」とは、塗料でくっついた重なりの部分を切り離して、隙間をもう一度空ける作業のこと。スレート屋根の塗装では、塗ること以上に大事な工程です。

    工程何をするか
    高圧洗浄古い塗膜・コケを落とす
    下塗りスレートに塗料をくっつける下地
    縁切り(タスペーサー差し込み)重なりの隙間を確保する
    上塗り1回目・2回目色と防水の塗膜を作る

    縁切りをしないとどうなるか

    隙間がふさがった屋根では、重なりの奥に入った水の逃げ道がありません。水は毛細管現象(狭い隙間に水が吸い上がる現象)で、逆に屋根の上のほうへ吸い上げられていきます。

    !
    雨漏り逃げ場を失った水が、スレートの釘穴から下地(野地板)に染みる。塗装から1〜3年で天井にシミが出ることも
    !
    野地板の腐り屋根の下の板が湿気で腐る。ここまでいくと塗装では直らず、葺き替えになる
    !
    スレートの反り・割れ水を含んだスレートが冬に凍って膨らみ、反ったり割れたりする
    !
    塗膜のふくれ中の湿気が抜けず、塗ったばかりの塗膜がふくれてはがれる

    現場からの本音

    「屋根を塗ってから雨漏りした」という相談で屋根に上がると、隙間が塗料でべったりふさがっていることが本当に多いです。塗った業者は「きれいに塗った」つもりでも、縁切りを知らないか、手間を省いたか。これは塗装のせいで屋根を悪くしたということです。

    タスペーサーとは?昔の縁切りとの違い

    昔の縁切りは、塗装が乾いたあとに、カッターや皮スキで重なりを1枚ずつ切っていく方法でした。手間がかかる上に、せっかく塗った塗膜を傷つけるので、仕上がりが汚くなります。

    今は「タスペーサー」という小さなプラスチックの部品を使います。下塗りのあと、板の重なりに1枚ずつ差し込んで、隙間を確保します。上塗りをしても、部品が隙間を保ってくれるので、塗料でふさがりません。

    昔の縁切り(カッター)タスペーサー
    やる時期塗装が全部乾いたあと下塗りのあと、上塗りの前
    仕上がり塗膜を切るので跡が残る塗膜を傷つけない
    手間1軒で半日〜1日1軒で2〜3時間
    数—1㎡あたり6〜8個。30坪の家(屋根70㎡前後)で400〜600個
    確実さ切り忘れ・再付着がある隙間が物理的に残る

    タスペーサーは、スレート1枚につき2か所(幅の両端付近)に差し込むのが標準です。屋根の傾きや重なりの状態によっては、差し込めない所もあるので、そこは昔ながらの縁切りを併用します。

    費用の目安と、見積書での確認方法

    項目目安
    タスペーサー(材料+差し込み手間)1㎡あたり300〜500円
    30坪・屋根面積70㎡の家2〜3.5万円

    屋根塗装40〜60万円の中で、縁切りは2〜3万円です。安い金額ですが、これを省くと屋根がダメになる。だから安い見積もりで真っ先に省かれます。

    見積書でここを見る

    「屋根塗装 一式」ではなく、「縁切り」「タスペーサー 〇個」または「〇㎡」と項目が書いてあるか。書いていなければ、「縁切りはしますか?タスペーサーは何個入れますか?」と聞いてください。「うちの塗料は縁切りがいりません」と言う業者には、次の見出しの話を確認してください。

    縁切りが「いらない屋根」もある

    正直に書くと、縁切りが不要なケースもあります。ここを知らないと、逆に不要な工事をされます。

    ✓
    重なりの隙間が最初から十分に空いている屋根古い施工で隙間が大きい、板が反って隙間ができている場合。現場で見て判断
    ✓
    屋根の傾きが急な家(6寸勾配以上)水がすぐ流れ落ちるので、隙間がふさがっても影響が小さいことがある。ただし基本はやる
    ✓
    日本瓦・金属屋根そもそも重なりの構造が違うので、縁切りという工程がない
    !
    「うちの塗料は縁切り不要」塗料の種類で縁切りが要らなくなることは基本ありません。塗料は液体なので、どんな塗料でも隙間に流れ込みます

    土居建装の場合

    スレート屋根は、タスペーサーを標準で入れます。屋根に上がって隙間の状態を見て、不要なら「この屋根は縁切りいりません」と言います。入れた場合は、差し込んだ状態の写真と、使った個数を工事後にお渡しします。

    まとめ

    ✓
    スレート屋根の重なりの隙間は「水の逃げ道」。塗料でふさぐと雨漏りする塗ることより大事な工程
    ✓
    縁切り=ふさがった隙間を空けること。今は「タスペーサー」で確保する30坪で400〜600個
    ✓
    費用は2〜3.5万円。安いけど省かれやすい見積書に「タスペーサー」の項目があるか
    ✓
    「うちの塗料は縁切り不要」は基本うそ不要な屋根は現場で判断するもの

    「屋根を塗ってから雨漏りした」「前の塗装で縁切りをしたか分からない」という方は、屋根の写真を1枚送ってください。隙間の状態を見て、今どうすべきかをお答えします。

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    この記事を書いた人:土居建装 代表 土居

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