外壁塗装、業者によって価格が倍近く違うのはなぜ?
「その価格の違いって何?」と聞かれたので、一級塗装技能士が答えます
執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)
先日、知り合いの方に聞かれました。
「塗装屋さんって、同じ家でも業者によって値段が全然違うでしょう。その価格の違いって何?どういう違いがあるの?」
外壁塗装は、同じ家でも見積もりが倍近く違うことがあります。お客様からすると「何が違うのか分からない」のが一番不安なところだと思います。
この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、そのとき答えたことをそのまま、価格の差はどこから生まれるのか、高ければいいのか、安ければ危ないのかを、現場の目線でお伝えします。
この記事の内容
1聞かれた質問「その価格の違いって何?」
2価格の差が生まれる5つの理由
3塗料の値段:1缶2万円と1缶8万円
4会社の仕組み:営業・管理・中間マージン
5足場:安ければいいわけではない
6「高くてもいい工事」と「危ない安さ」
7質の良さをどう見極めるか
8まとめ
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聞かれた質問「その価格の違いって何?」
その質問に、私はこう答えました。「塗料の値段でも変わりますが、それだけで倍も変わることはありません。一番大きいのは、会社の仕組みです。営業の人がいるか、管理する人が何人いるか、間に会社が入っているか。それと、塗り方(工法)と足場。この3つで、同じ家でも見積もりが大きく変わります」
以下、1つずつ説明します。
価格の差が生まれる5つの理由
| 理由 | どのくらい差が出るか | 中身 |
|---|---|---|
| ① 会社の規模・営業・管理の人数 | 一番大きい | 営業マンの給料、管理する人の人件費、下請けに出すときの中間マージン。工事の中身は同じでも、ここで何十万円も変わる |
| ② 塗料のグレード | 大きいが、倍にはならない | 1缶2万円の塗料と1缶8万円の塗料。外壁だけで8万円〜30万円くらいの差 |
| ③ 工法(塗り方) | 家による | 単色で塗るか、凹凸で色を変えるダブルパターンか。手間が違う |
| ④ 足場 | 5万円くらい | 足場屋さんによって変わる。ただし安ければいいわけではない |
| ⑤ 下地処理・補修の量 | 家による | ひび割れ、コーキング、サビ。傷んでいる家ほどここが増える |
②〜⑤は「工事の中身」の差です。①は「工事の中身とは関係ない」差です。見積もりを見るときは、この2つを分けて考えると、価格の差が見えてきます。
塗料の値段:1缶2万円と1缶8万円
塗料の値段は、たしかに差が出ます。ただ、「倍も変わる」ほどではありません。実際の数字で言うとこうです。
| 安い塗料 | 本当にいい塗料 | |
|---|---|---|
| 1缶の値段 | 2万円くらい | 7〜8万円 |
| 一般的な2階建て(4缶) | 8万円 | 28〜32万円 |
| 下塗りを足すと | 10万円前後 | 30万円を超える |
| 耐候年数の目安 | 最近は安い塗料でも10〜15年もつものが多い | それ以上 |
つまり、外壁の塗料代だけで見ると、一番安いものと一番いいもので20万円ほどの差です。100万円の工事が200万円になる理由にはなりません。
それと、最近は安い塗料の性能が上がっています。1缶2万円でも、耐候年数10〜15年のものが多い。だから「安い塗料=すぐダメになる」ではありません。外壁に合っていて、きちんと3回塗ってあれば、ちゃんともちます。
下塗りは外壁に合わせて3タイプ
外壁の塗料には、上塗りの前に下塗りがあります。下塗りは外壁の状態で変わって、だいたいシーラー・フィラー・サーフの3タイプ。どれを使うかで値段も少し変わります。見積書に下塗りの商品名が書いてあるかどうかは、1つの目安です。
現場からの本音
ここ最近は、塗料の値段も、マスカーやガムテープなどナイロン系の養生材も、かなり上がっています。数年前の相場で「高い」と思っても、今はそれが普通ということもあります。見積もりを比べるときは、同じ時期の見積もり同士で比べてください。
会社の仕組み:営業・管理・中間マージン
価格の差で一番大きいのは、実は塗料ではなく会社の仕組みです。
こういう会社が悪いわけではありません。大きい会社には大きい会社の安心感があります。ただ、見積もりが高い理由が「工事の中身」ではなく「会社の経費」のこともある、ということは知っておいてください。
土居建装の場合
土居建装は、営業の人を置いていません。現地調査、お見積もりの提出、契約書、近隣の方へのお知らせ、引渡し後の点検まで、お客様との窓口は土居が一人でやっています。施工は、私自身で塗りますし、信頼できる職人仲間に塗ってもらうこともあります。間に会社は入りません。だから、お客様が払った金額は、そのまま材料と職人の手間に使えます。
足場:安ければいいわけではない
足場は、足場屋さんによって5万円くらい変わります。ただ、ここは「安ければいい」ではありません。
きっちり組んである足場は、職人が作業しやすい。作業しやすい足場は、隅まで丁寧に塗れる。逆に、安いけれど雑な足場だと、塗りにくい場所が出て、仕上がりに影響します。足場代の差は、塗装の質にもつながります。
「高くてもいい工事」と「危ない安さ」
ここが一番お伝えしたいところです。「高くてもいい工事」はあります。
こういう業者は質が高いので、価格も高めになります。でもそれは、工事の中身にお金がかかっている高さです。営業や中間マージンの高さとは違います。
正当な安さと、危ない安さ
安い見積もりにも、2種類あります。営業や管理の経費がかからない分、安くできる「正当な安さ」。塗る回数を減らしたり、下塗りを省いたり、安い塗料を高い塗料と言って塗ったりする「危ない安さ」。
見分けるには、原価がどのくらいかが分からないと見えてきません。営業が多かったり中間マージンがかかっていたりすると、そこが見えにくくなります。だから、見積書に「塗料の商品名」「下塗りの商品名」「塗る回数」「数量(㎡)」が書いてあるかを見てください。書いてあれば、中身で比べられます。
質の良さをどう見極めるか
最後に、そのときにも伝えたことです。価格の差が分かっても、その業者の質が高いかどうかは、見積書だけでは分かりません。
一番確かなのは、口コミです。実際に工事をしたお客様が、対応・仕上がり・工事中の様子をどう感じたか。Googleの口コミや、その業者のホームページの施工事例を見てください。工事の写真を工程ごとに載せている業者は、見せられる仕事をしています。
土居建装の場合
土居建装は、工事中の写真を工程ごとに撮ってお渡しし、ブログにも工事の流れを全部書いています。価格の説明は、見積書の項目ごとに「何にいくらかかっているか」をお伝えします。「この金額は何?」と聞かれて答えられない項目は、見積書に入れていません。
まとめ
「2社の見積もりがあるけど、どこが違うのか分からない」という方は、見積書の写真を送ってください。何が違うのか、どちらの安さ・高さが「工事の中身」なのかを、見て説明します。
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メールで問い合わせるdoikenso305@gmail.com一級塗装技能士・足場作業主任者・有機溶剤・アスベスト・ハーネス
現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。
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