外壁塗装の「3回塗り」って何?
下塗り・中塗り・上塗りの役割と、2回塗りとの違いを一級塗装技能士が解説
執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)
「見積書に『3回塗り』って書いてあるけど、何を3回塗るの?」
「同じ色を2回塗る意味あるの?」
外壁塗装は、1回で塗り終わるものではありません。役目の違う塗料を、順番に、乾かしながら重ねていく仕事です。ここを知っておくと、見積書の見方も、工事中に何をしているかも分かるようになります。
この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、3回塗りのそれぞれの役割、なぜ回数を減らしてはいけないか、本当に3回塗っているか確かめる方法を、現場の目線でお伝えします。
この記事の内容
13回塗りとは?1回ごとの役割
2下塗り:外壁と塗料をくっつける「接着剤」
3中塗り・上塗り:色と厚みで外壁を守る
4乾燥時間:急ぐと全部ムダになる
52回塗りにされると、どうなるか
6本当に3回塗っているか、確かめる方法
7まとめ
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3回塗りとは?1回ごとの役割
外壁塗装の基本は「下塗り1回+上塗り2回」の合計3回です。上塗りの1回目を「中塗り」、2回目を「上塗り」と呼ぶこともあります。同じことです。
| 回 | 呼び方 | 使う塗料 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 下塗り | 下塗り材(シーラー・フィラー・プライマー) | 外壁と上の塗料をくっつける。傷んだ外壁を固める |
| 2回目 | 中塗り(上塗り1回目) | 上塗り塗料(色のついた塗料) | 厚みを作る。色のムラをなくす |
| 3回目 | 上塗り(上塗り2回目) | 中塗りと同じ塗料 | 仕上げ。ツヤと防水の塗膜を完成させる |
ポイントは、1回目と2〜3回目は「別の塗料」だということ。下塗りは色を出すためではなく、くっつけるための塗料です。だから見積書には「下塗り材の商品名」と「上塗り塗料の商品名」の2つが書いてあるのが正解です。
下塗り:外壁と塗料をくっつける「接着剤」
古い外壁の表面は、粉をふいていたり(チョーキング)、細かいひびがあったり、水を吸いやすくなっていたりします。その上に色のついた塗料をそのまま塗っても、くっつかずに数年ではがれます。
下塗り材は、その傷んだ表面に染み込んで固め、上の塗料が食いつく土台を作ります。外壁の状態によって、使う下塗り材が変わります。
| 下塗り材 | どんな外壁に使うか |
|---|---|
| シーラー | 傷みが軽い外壁。染み込んで固める。透明か白 |
| フィラー(微弾性フィラー) | モルタル外壁や、細かいひびが多い外壁。厚みがあり、ひびを埋めながら塗れる |
| プライマー | 金属(鉄部・板金)やサイディングの一部。密着させるための下塗り |
| 錆止め(さびどめ) | 鉄部専用。サビを落としたあとに塗る |
現場からの本音
下塗りは塗ってもほぼ透明か白なので、お客さんからは「塗った」ように見えません。だから省かれやすい。でも、塗装が長持ちするかどうかの7割は下塗りで決まると思っています。土居建装では、下塗りを塗った状態の写真を必ず撮ってお渡しします。
中塗り・上塗り:色と厚みで外壁を守る
下塗りが乾いたら、色のついた塗料を2回塗ります。「同じ塗料を2回塗る意味があるの?」とよく聞かれますが、意味は2つあります。
塗膜の厚みは、目には見えません。だから「1回でも2回でも見た目は同じ」に見えます。違いが出るのは3〜5年後です。
乾燥時間:急ぐと全部ムダになる
3回塗りには、もう1つ大事なことがあります。1回塗るごとに、決められた時間乾かすことです。メーカーが塗料ごとに「次を塗るまで〇時間以上」と決めています(多くは3〜4時間以上、気温が低いと1日)。
| やってはいけないこと | 何が起きるか |
|---|---|
| 下塗りが乾く前に中塗りをする | 下塗りが固まらず、密着しない。数年ではがれる |
| 中塗りが乾く前に上塗りをする | 塗膜の中に湿気が残り、ふくれ・割れの原因になる |
| 雨の日・湿度の高い日に塗る | 塗料が水を含んで白くにごる、密着しない |
| 1日で3回塗ってしまう | 乾燥時間を守れていない証拠。「1日で終わりました」は要注意 |
だから、外壁塗装は塗装だけで最低3日、普通は4〜5日かかります。足場・洗浄・養生・シーリングを含めると、全体で2週間前後です。「3日で全部終わります」という業者は、どこかを省いています。
2回塗りにされると、どうなるか
安い見積もりで一番多い手口が、上塗りを1回にして「2回塗り」で済ませることです。材料も手間も3分の1減るので、1軒で15〜20万円安くできます。
| 3回塗り | 2回塗り(上塗り1回) | |
|---|---|---|
| 塗った直後 | きれい | きれい(見分けがつかない) |
| 塗膜の厚み | メーカー規定通り | 規定の半分〜3分の2 |
| 3年後 | 変化なし | ツヤが落ち、色あせが出始める |
| 5年後 | 変化なし〜わずかな色あせ | チョーキング・部分的なはがれ |
| 次の塗り替え | 10〜15年後 | 5〜8年後(足場代がもう1回かかる) |
「安い」と思って2回塗りにすると、次の塗り替えが早く来て、足場代15〜20万円をもう1回払うことになります。結局、3回塗りのほうが安いです。
本当に3回塗っているか、確かめる方法
塗膜の厚みは目で見えません。でも、工事中なら確かめる方法があります。
土居建装の場合
下塗り・中塗り・上塗りの3工程すべての写真を撮って、工事後にまとめてお渡しします。塗料の缶数は、塗料屋さんへの発注数と塗った面積が合っていればメーカーの「グッジョブ保証」が付く仕組みなので、缶数をごまかすと保証が付きません。つまり、ごまかしようがない形で施工しています。
まとめ
「前に塗ってもらったけど、何回塗ったか分からない」「見積書に塗料が1つしか書いていない」という方は、見積書の写真を送ってください。何を何回塗る内容になっているか、見て説明します。
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メールで問い合わせるdoikenso305@gmail.com一級塗装技能士・足場作業主任者・有機溶剤・アスベスト・ハーネス
現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。
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