外壁塗装の足場代はなぜ必要?相場の目安と「足場代無料」の中身を、足場作業主任者が解説

※営業電話は一切お断りしております。個人のお客様のお見積もりのみ承っております。

「見積書の足場代、20万円もするの?」「塗るだけなのに、なんで足場がいるの?」「足場代無料って書いてある業者があったけど、あれは何?」

外壁塗装の見積もりで、お客様が一番引っかかるのが足場代です。塗料でも工事でもない、終わったら外してしまうものに20万円近く払う。納得しにくいのは当然だと思います。

この記事では、足場作業主任者の資格を持って自分で足場を組んでいる立場から、足場が何のためにあるのか、足場代はどう決まるのか、「足場代無料」の中身は何なのかを、現場の実際に沿って説明します。

この記事の内容

  1. 足場は何のためにある?(安全・仕上がり・法律)
  2. 足場代の目安と、計算の仕方
  3. 「足場代無料」「足場代サービス」の中身
  4. 戸建てで使う足場の種類
  5. 足場がある間の暮らし:洗濯物・窓・車・防犯
  6. 近隣挨拶と、組立から解体までの流れ
  7. まとめ:足場は「一回で使い切る」のが一番安い

1. 足場は何のためにある?(安全・仕上がり・法律)

足場の役目は、大きく3つあります。順番に言うと、職人の安全、仕上がりの質、そして法律です。

役目 足場があると 足場がないと
安全 両手が使える。2階の軒下でも安定して作業できる はしごや脚立は片手がふさがる。落ちたら大けが
仕上がり 壁の正面に立って、同じ距離・同じ力で塗れる。塗り残し・ムラが出にくい 届く所だけ、体をひねって塗る。軒天・雨樋の裏・窓まわりが雑になる
法律 高さ2m以上の作業には、落ちないための作業床(足場)などが法律で義務づけられている 法律違反。事故が起きれば、お客様も巻き込まれる

「安全のため」はよく言われますが、私が一番強調したいのは仕上がりです。塗装は「壁の正面に立てるかどうか」で出来が変わります。はしごの上で体をひねりながら塗った壁と、足場の上でまっすぐ向き合って塗った壁は、3年後に差が出ます。

それと、高圧洗浄・シーリングの打ち替え・下塗り・中塗り・上塗り。外壁塗装は家の全面を最低5〜6回は行き来する仕事です。1回だけならはしごでも何とかなるかもしれませんが、6回はどう考えても無理です。

現場からの本音

足場は「組んであればいい」ものではありません。ガタつく足場、壁から離れすぎている足場、手すりのない足場では、職人は無意識に体を守る方に力を使います。そうなると塗りが雑になる。足場の組み方の質は、そのまま塗装の質に出ます。だから私は、自分の現場の足場は自分で組みます。

2. 足場代の目安と、計算の仕方

足場代は「一式いくら」ではなく、足場の面積 × 平米単価で決まります。ここを知っておくと、見積書の足場代が高いのか安いのかを自分で判断できます。

足場の面積の出し方(目安)

(家の外周 + 8m)× 高さ = 足場の面積
※外周に8mを足すのは、足場が壁から少し離れて組まれるため。高さは軒の高さに少し余裕を足します。

項目 目安
足場の平米単価 700〜1,000円/㎡くらい(組立・解体・運搬込み)
飛散防止のメッシュシート 100〜200円/㎡くらい(足場代に含む業者も多い)
一般的な2階建て(30坪前後) 足場面積 250〜300㎡ → 15〜25万円くらい
高くなる条件 3階建て、隣との隙間が狭い、道路から遠くて資材が運びにくい、傾斜地

見積書で見てほしいのは、足場の「㎡数」と「単価」が書いてあるかです。「足場一式 200,000円」としか書いていない見積書は、根拠が分かりません。㎡数が書いてあれば、上の計算で「うちの家ならだいたいこれくらい」と照らし合わせられます。

3. 「足場代無料」「足場代サービス」の中身

チラシやネットで「今なら足場代無料」「足場代サービス」という言葉を見たことがあると思います。はっきり言います。足場は無料にはなりません。材料の運搬、組立、解体に人と時間がかかる以上、誰かが払っています。

「無料」のからくり 実際に起きていること
ほかの項目に上乗せ 塗装の㎡単価や「諸経費」に足場代が溶け込んでいる。合計はほぼ同じか、むしろ高い
どこかを削っている 上塗りを1回減らす、下塗りを省く、安い塗料に変える。「足場代分」を工事の中身で回収している
足場そのものを省く はしご・脚立で塗る。安全面も仕上がりも、この記事の1番で書いた通り
契約を急がせる材料 「今日決めてくれたら足場代無料」。値引きの理由が工事の中身と関係ない

足場代は見積書に、面積と単価つきで正直に書いてあるのが一番安心です。「無料」と書いてある見積書ほど、ほかの行をよく見てください。

4. 戸建てで使う足場の種類

戸建ての塗装で使う足場は、ほとんどがくさび緊結式(けんけつしき)足場です。ハンマーでくさびを打ち込んで組む足場で、「ビケ足場」と呼ぶこともあります。

種類 特徴 使う場面
くさび緊結式足場 幅のある作業床と手すりがある。安定していて、両手で作業できる。組立・解体が早い 一般的な戸建て。基本はこれ
単管足場 鉄パイプをクランプで組む。作業床が狭く、パイプの上に立つ形になる 隣との隙間が狭くて、くさび式が入らない所
単管ブラケット足場 単管にブラケット(腕)をつけて板を渡す。単管足場より作業床が広い 狭い所で、少しでも作業床を確保したいとき

隣の家との隙間が40〜50cmしかない、というお家は堺市周辺にも多いです。そういう場所は、くさび式が入らない面だけ単管で組むなど、家ごとに組み方を変えます。「うちは狭いから足場が組めないと言われた」という方も、一度ご相談ください。

5. 足場がある間の暮らし:洗濯物・窓・車・防犯

足場が組まれている期間は、だいたい2週間前後です。その間、暮らしの中で気をつけてほしいことをまとめます。

こと どうなるか・どうすればいいか
洗濯物 高圧洗浄の日と塗装の日は外に干せません。塗料のにおいやミストがつきます。部屋干しか、乾燥機をお願いします。干せる日・干せない日は工程表でお伝えします
窓 塗装中は窓をビニールで養生するので、開けられない日があります。エアコンは使えます(室外機は養生しても動くようにします)
車 敷地内の車は、高圧洗浄・塗装の日はカバーをかけるか、少し離れた所へ。飛散防止シートを張っていても、風向きで細かい塗料が飛ぶことがあります
防犯 足場は2階の窓まで人が登れる状態です。工事期間中は2階の窓も必ず施錠してください。夜はメッシュシートで外から見えにくくなるので、なおさらです
音 組立の日と解体の日は、金属を打つ音が出ます(各半日〜1日)。それ以外の日は静かです

6. 近隣挨拶と、組立から解体までの流れ

足場で一番トラブルになりやすいのは、実はお客様のお家ではなくお隣です。組立の音、メッシュシートで日当たりが変わる、隙間が狭ければお隣の敷地に少し入らせてもらうこともある。だから近隣挨拶は足場を組む前が鉄則です。

順番 やること 目安
1 近隣挨拶(工事の期間・音の出る日・連絡先を伝える) 組立の数日前
2 足場の組立+メッシュシート張り 半日〜1日
3 高圧洗浄 → 養生 → シーリング → 下塗り → 中塗り → 上塗り → 付帯部 10日前後(天気で前後)
4 足場の上から最終チェック(塗り残し・タッチアップ)。解体前にお客様にも見てもらう 解体の前日〜当日
5 足場の解体・搬出、周りの掃除、近隣へお礼 半日〜1日

4番が大事です。足場を外してから「ここが塗れていない」と気づいても、もう手が届きません。だから解体の前に、足場の上から全部見て回ります。気になる所があれば、この段階で言ってください。

土居建装の場合

足場作業主任者の資格を持ち、自分の現場の足場は自分で組んでいます。近隣挨拶も、営業マンではなく、実際に工事をする私が自分で回ります。「音が出る日はこの日です」「何かあればこの番号に」と、現場を知っている人間が直接お伝えするのが一番トラブルが少ないからです。見積書には、足場の㎡数と単価を必ず書きます。

7. まとめ:足場は「一回で使い切る」のが一番安い

最後に、足場代を一番ムダにしない考え方をお伝えします。足場は組んでいる間に、高い所の工事を全部やってしまうのが一番得です。

外壁だけ塗って、3年後に屋根を塗ろうとすると、足場代をもう一回払うことになります。屋根、雨樋、破風、軒天、シーリング。「まだ大丈夫かな」という所も、足場があるうちに一緒にやるほうが、トータルでは安くなることがほとんどです。

  • ✓ 足場は安全のためだけでなく、仕上がりのため。壁の正面に立てるかどうかで3年後が変わる
  • ✓ 足場代は「面積 × 単価」。一般的な2階建てで15〜25万円くらいが目安
  • ✓ 「足場代無料」は無料ではない。ほかの行に溶けているか、工事の中身が削られている
  • ✓ 工事中は2階の窓も施錠。洗濯物・車は工程表を見て
  • ✓ 解体前に、足場の上から一緒に最終チェック。外してからでは届かない
  • ✓ 屋根・付帯部・シーリングは、足場があるうちに一緒に。足場は一回で使い切る

「見積書の足場代が妥当か見てほしい」「うちは隣との隙間が狭いけど、足場が組めるのか」という方は、見積書の写真やお家の写真を送ってください。足場を自分で組んでいる人間の目で、正直にお答えします。

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土居建装|大阪府堺市美原区

対応エリア:堺市・大阪府南部を中心に関西一円

資格:一級塗装技能士・足場作業主任者・有機溶剤・アスベスト・ハーネス

この記事を書いた人

土居建装 代表 土居。現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条。

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