外壁塗装の工事の流れ 完全版
近隣挨拶から足場解体まで12工程。何のために、何を使って、どう塗るのかを、一級塗装技能士が全部書きました
執筆:土居建装 代表 土居(一級塗装技能士・現場歴20年以上)
「外壁塗装って、何日くらいかかるの?」
「工事中は家にいないといけない?洗濯物は?」
「見積書の工程って、1つ1つ何をしてるの?」
外壁塗装は、家に住みながら行う工事です。だから「いつ、何を、何のためにやるのか」が分かっていると、工事中のストレスがぐっと減ります。そして、工程の中身が分かれば、見積書の良し悪しも、業者の良し悪しも見えてきます。
この記事では、堺市で外壁・屋根塗装をしている土居建装が、一番多い「窯業系サイディングの2階建て」を例に、契約後の工事を12の工程に分けて、それぞれ何のためにやるのか・何を使うのか・どう作業するのか・お客様に何をお願いするのかを、現場の目線で全部書きました。長い記事です。目次から、気になる工程だけ読んでいただいても大丈夫です。
この記事の内容
1工事は12の工程で進みます
2工程1 近隣への挨拶回り・チラシの配布
3工程2 足場の設置
4工程3 高圧洗浄
5工程4 コーキング(シーリング)の打ち替え
6工程5 鉄部の錆止め
7工程6 養生・軒天井
8工程7 外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
9工程8 屋根の点検・補修
10工程9 屋根塗装
11工程10 付帯部の塗装
12工程11 最終確認・是正
13工程12 足場の解体・引渡し
14まとめ
→無料相談はこちら
工事は12の工程で進みます
土居建装の外壁塗装(外壁+屋根+付帯部)は、この12の工程の順番で進めます。順番には理由があって、前の工程が終わらないと次ができないものがほとんどです。日数は目安で、作業する人数・天気・家の大きさで変わります。
| 工程 | 日数の目安 | 家の人が気にすること | |
|---|---|---|---|
| 1 | 近隣への挨拶回り・チラシの配布 | 工事の5日前まで | — |
| 2 | 足場の設置 | 半日 | 音が出る。車・植木の移動 |
| 3 | 高圧洗浄 | 3〜5時間(足場と合わせて1日目) | 窓を閉める。洗濯物は外に干せない |
| 4 | コーキングの打ち替え | 1人で2日半〜3日、2人で2日 | 物音がする程度 |
| 5 | 鉄部の錆止め | 1〜3時間 | 溶剤のにおい。窓を閉める |
| 6 | 養生・軒天井 | 養生5時間〜2日、軒天井2時間〜1日 | ここから窓が開けられない |
| 7 | 外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り) | 2〜3日 | においが出る日がある |
| 8 | 屋根の点検・補修 | 3時間〜2日 | — |
| 9 | 屋根塗装(下塗り・中塗り・上塗り) | 3日前後 | 溶剤のにおい。天井から足音 |
| 10 | 付帯部の塗装 | 部材・塗料による | — |
| 11 | 最終確認・是正 | 上塗りの最中からずっと | 窓・玄関から一緒に見る |
| 12 | 足場の解体・引渡し | 半日 | 音が出る。車の移動。立ち会い不要 |
全体ではおおよそ2〜3週間を見てください。雨が続けばその分延びます。「3日で全部終わります」という業者がいたら、どこかを省いています。コーキングだけで2日半〜3日、外壁の3回塗りだけで2〜3日かかるので、物理的に3日では終わりません。
工程1 近隣への挨拶回り・チラシの配布
工事の5日前までに、私自身がご近所へご挨拶に伺います。回るのは、お客様の家の裏とその両隣、向かいとその両隣です。お客様がご一緒でなくても大丈夫です。
お渡しするのは、工事の流れを書いたチラシ1枚です。特にお伝えしているのは「音」のことです。工事の中で一番音が出るのは、足場と高圧洗浄の日。足場はハンマーで叩くカンカンという音、洗浄は業務用の強力な洗浄機を使うので、エンジン音と、洗車機のような水の音がします。それに加えて、工事中は車の出入りをさせていただくこと、作業の時間をお伝えします。
チラシには連絡先を載せてあるので、「何かあったらこちらへ」とお伝えして、工事中にご近所の方が直接私に連絡できるようにしています。
現場からの本音
挨拶は「してもしなくてもいい」ものではなく、工事の一部だと思っています。ご近所の方は、工事の間ずっと音とにおいを我慢してくださっています。先に顔を見せて、何の音がいつ出るかを伝えておくだけで、工事中の空気がまったく違います。
工程2 足場の設置
足場は、専門の足場屋さんに組んでもらいます。金属のパイプをハンマーで叩いて組むので、カンカンという音が出ます。工事の中で一番音が出る日です。組み終わったら、飛散防止のメッシュシートで家をぐるっと囲みます。シートで囲まれると家の中が少し暗くなり、窓の外が見えにくくなります。工事の間はこの状態です。足場から2階の窓に近づけるので、工事中は2階の窓も施錠してください。
足場の日までに、お客様にお願いしていることが2つあります。
工程3 高圧洗浄
足場ができたら、業務用の高圧洗浄機で家全体を洗います。3〜5時間かかります。
洗浄をする理由は2つあります。1つは、外壁や屋根についているホコリ・煤(すす)などの不純物を、限りなく取り除くこと。汚れの上に塗料を塗っても、塗料は汚れにくっつくだけで、外壁にはくっつきません。もう1つは、弱っているところの確認です。水を当てると、塗膜が浮いているところ、剥がれかけているところが分かります。
洗う順番は、2階の屋根から。上から順番に、汚れを下へ洗い落としていくイメージです。「ここだけ念入りに」ではなく、全部を入念に洗います。
この日、お客様にお願いしていることが3つあります。
洗った外壁は乾かしてから塗りますが、現場を空けるわけではありません。乾かしている間に、コーキング・錆止め・養生を進めます。
工程4 コーキング(シーリング)の打ち替え
洗浄の翌日から、目地のコーキングを打ち替えます。一般的な2階建てで、1人なら2日半〜3日、2人なら2日くらいかかる作業です。
コーキングは何のためにあるか
コーキングは、サイディングの板と板をつなぐ、ゴムのように柔らかい材料です。役目は2つ。板と板の隙間から雨が入らないように止めること(防水)。そして、壁の揺れや伸び縮みを吸収することです。
壁は止まっているように見えて、毎日動いています。昼は日が当たって板が膨らみ、夜は縮む。地震や強風でも揺れる。板そのものは硬いので、その動きは全部、板と板の隙間に集まります。そこで動きを受け止めているのがコーキングです。だから、柔らかいままでいることが何より大事です。
古くなるとどうなるか
新品のコーキングが柔らかいのは、「可塑剤(かそざい)」という成分のおかげです。紫外線と熱で、この可塑剤が少しずつ表面に出て(目地が黒ずむ「ブリード」)、やがて抜けきると、カチカチに硬くなって割れます。硬くなったコーキングは、壁の動きについていけません。ひびが入り、やせて細くなり、板との境目がはがれ(剥離)、最後は真ん中から裂けます(破断)。
そうなると、目地はただの隙間です。雨が入って板の裏側を濡らし、板が反る。その奥の防水紙が傷んでいれば、柱が腐る。こうなると塗装では直せません。
現場からの本音
外壁の塗膜がまだ元気でも、目地が切れていたら、そこから家が傷みます。外壁塗装でコーキングを打ち替えるのは、見た目をそろえるためではありません。壁の継ぎ目の防水を新品に戻すためです。塗装と同じくらい大事な、防水の工事だと思っています。
土居建装の打ち替えの手順
| 順番 | やること | ここが大事 |
|---|---|---|
| ① 撤去 | 古いコーキングをカッターで全部切り取る | 古いカスが残っていると、新しいコーキングがくっつかない。目地の中まできれいにする |
| ② プライマー | 目地の両側の面に、接着剤の役目の下塗りを塗る | 塗らないと、数年で板との境目からはがれる。 打った直後は見た目が同じなので、お客様には分からない。だからこそ省く業者がいる |
| ③ 充填 | 新しいコーキングを目地に打ち込み、ヘラで押さえる | 左右の板にだけくっつけて、底にはくっつけない(2面接着)。底までくっつくと、壁が動いたときに伸びる余裕がなくて裂ける |
| ④ 乾燥 | 2日あけてから外壁を塗る | 乾く前に塗ると、塗膜が割れたり、コーキングの成分がにじんで塗料が汚れたりする |
サッシまわりは「増し打ち」
窓(サッシ)のまわりの目地は、古いコーキングを取らずに、上から新しいコーキングを足す「増し打ち」にします。これは手抜きではありません。サッシまわりの裏には防水シートがあり、カッターを深く入れるとそれを切ってしまうからです。板と板の目地は打ち替え、サッシまわりは増し打ち。見積書にこの2つが分けて書いてあるかどうかで、分かっている業者かどうかが見えます。
使う材料
外壁の目地に使うのは「変成シリコン」系のコーキングです。名前の似た「シリコン」は、水も塗料もはじくので、上から塗装ができません。外壁の目地には使いません。土居建装では、塗装で上から覆う目地と、塗装で覆わない場所(後打ち)で材料を使い分けています。後打ちの場所はむき出しで紫外線に当たるので、オートンイクシードなどの高耐久のものを使います。
土居建装の場合
土居建装の流れは、コーキングを先に打って、その上から外壁を塗る「先打ち」です。塗膜がコーキングを紫外線から守るので、むき出しの「後打ち」より長持ちします。そのかわり、コーキングが十分に乾くまで外壁は塗りません。2日あけます。
この工程は外の作業なので、お客様への影響はほとんどありません。カッターで古いコーキングを取るときの物音がする程度です。
工程5 鉄部の錆止め
コーキングが乾くのを待つ間に、鉄部の錆止めを塗ります。
鉄部とはどこか
「鉄部」は、文字どおり素材が鉄の部分です。多いのは霧除け(窓の上の小さな庇)と板金まわり。水切り・庇・小庇も鉄の場合があります。軒天井も、鉄でできていれば鉄部です。塗る前に、どこが鉄でどこがアルミかを見分けるところから始まります。
なお、アルミのサッシ・雨戸・手すりは、土居建装では基本的に塗りません。アルミは塗料がくっつきにくく、塗ってもはがれやすい材料です。特別な理由がない限り、アルミは触らないほうがきれいに長持ちします。
なぜ錆止めを塗るのか
錆止めを塗らずに、いきなり上塗りをする業者もいます。見た目はきれいに仕上がりますが、それでは密着力がなく、錆を止める効果もありません。中で錆がそのまま進んで、上塗りの効果もなくなります。鉄は、内側から傷んでいく材料です。だから上塗りの前に、錆を止めて下地を強くしておく必要があります。
土居建装の錆止めの手順
| 順番 | やること | ここが大事 |
|---|---|---|
| ① 錆の見極め | どこがどのくらい錆びているかを見る | 浮いている錆、浮いていない錆、塗膜のはがれを分けて見る |
| ② ケレン(下処理) | ワイヤーブラシなどの手ケレンで、浮いた錆・古い塗膜を落とす | 浮きがない状態になるまで、できるだけ錆を落としてから塗る。 ここを雑にすると、錆の上に塗ることになり、すぐ浮いてくる |
| ③ 錆止め | 刷毛とローラーで、2液エポキシ型の錆止めを塗る | 隅・裏側・ビスのまわりまで塗り残さない |
| ④ 乾燥 | 養生・外壁塗装のあいだに乾かす | 上塗りまで3〜4日あく |
使う材料
日本ペイントの「ハイポンファインプライマーII」という、2液エポキシ型の錆止めを使っています。密着性が強く、下地をしっかり作れるタイプです。錆止めで下地を強くしておくと、その上の塗料の密着も良くなる。だから、錆止めの中でも強いものを選んでいます。
一般的な2階建てで、庇などの鉄部が多い家で3時間ほど。鉄部がほとんどない家なら1時間程度です。
現場からの本音
錆止めは、塗ってしまえば上塗りで隠れて見えなくなります。ケレンをしたかどうかも、見えません。だから手を抜きやすい工程です。でも、鉄部が数年で錆びて塗膜が浮いてくる家は、ほとんどここが原因です。錆を見極めて、浮きがなくなるまで落として、それから塗る。見えないところほど丁寧に、です。
工程6 養生・軒天井
養生
錆止めが終わったら、塗らない場所を覆う「養生」です。マスキングテープ・ブルーシート・ノンスリップシート・ガムテープを使って、窓・サッシ・玄関・床など、塗らないところを全部覆います。
目的は塗料の飛び散り防止ですが、丁寧な養生と雑な養生の差は、はっきり出ます。土居建装が気をつけているのは2つ。塗料の入る隙間を作らないこと。隙間があると、そこから塗料が回り込んで、サッシや床に跡が残ります。もう1つは、風でビニールがバサバサ音を立てないようにすること。養生は工事の間ずっと家を覆っているので、音が出ると、お客様にもご近所にもストレスになります。
養生にかかる時間は、家の大きさでかなり変わります。5時間で終わる家もあれば、丸2日かかる家もあります。
| 養生のあいだ | お願いしていること |
|---|---|
| 窓 | 養生をしてから、外壁の上塗りが終わって養生を外すまでは、窓を開けられません。開けてしまうと、作業中の塗料のにおいがお部屋に入る恐れがあります |
| 玄関 | 出入りできます。出入りができるように養生します |
| エアコン・換気扇 | 使っていただいて大丈夫です |
| 郵便受け | 通常どおり使えます |
軒天井
養生ができたら、軒天井(のきてんじょう)を塗ります。軒天井は、屋根が壁より外に出ている部分の裏側、見上げたところにあるボードです。屋根が広く出ているほど、家を紫外線や雨から守ってくれますが、その分、軒天井の面積も広くなります。
軒天井は、湿気がたまりやすい場所です。放っておくとカビや汚れがつき、クモなどの虫もたまりやすい。塗り替えで定期的にきれいにしておく場所です。
なぜ外壁より先に塗るのか。塗料は上から落ちてきます。軒天井は外壁より上にあるので、先に仕上げておかないと、外壁を塗ったあとに軒天井を塗ると、せっかく塗った外壁をまた汚してしまいます。上から順に仕上げる。これが塗装の基本です。
| 順番 | やること | ここが大事 |
|---|---|---|
| ① ペーパーがけ | サンドペーパーで表面を研磨する | 汚れと段差を落とすのと同時に、表面を少し荒らして(目粗し)、塗料がくっつきやすくする |
| ② 塗装 | 日本ペイントの軒天井用塗料「ケンエース」を塗る | 普通のボードは水性のケンエース。ケイカル板のようなつるっとしたパネルは、密着しにくいので溶剤系の「ケンエースG-II」を使う。材質を見て使い分ける |
| ③ 確認 | 換気の穴がふさがっていないか見る | 軒天井の穴は屋根裏の湿気を逃がすためのもの。塗料でふさぐと、湿気がこもる |
かかる時間は、2時間から1日くらいです。
現場からの本音
軒天井は見上げないと見えない場所なので、ペーパーがけを省いても、塗った直後は分かりません。でも、汚れの上に塗った塗料は、数年ではがれてきます。ここも「見えないところほど丁寧に」です。
工程7 外壁塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
養生と軒天井が終わったら、いよいよ外壁です。下塗り・中塗り・上塗りの3回を、上から順に、ローラーで塗っていきます。ここでは、土居建装が標準的に使っている塗料を例にして説明します。
下塗り:パーフェクトフィラー
下塗りは、外壁の状態に合ったものを選びます。土居建装でよく使うのは、日本ペイントの「パーフェクトフィラー」です。選ぶ理由は2つ。1つは密着。下塗りは、外壁と上塗りの塗料をくっつける接着剤の役目です。もう1つは補修。フィラーには厚みがあるので、0.3mm以下のヘアクラックや、目に見えないほどの細かいひびを、塗りながら埋めてくれます。ひびが目立つ外壁ほど、フィラーの出番です。
下塗りにはもう1種類、「シーラー」というものもあります。こちらはサラサラした塗料で、外壁に染み込んで固める役目が強く、ひびを埋める力はありません。外壁の傷み方を見て、どちらを使うかを決めます。
上塗り:パーフェクトトップ
上塗りは、日本ペイントの「パーフェクトトップ」です。一番多く使われているラジカル制御型という、紫外線で塗料が壊れるのを抑える仕組みの塗料で、チョーキング(手に白い粉がつく劣化)が起きにくい。長く使われていて信頼性があり、メーカーの材料保証がつくのも選んでいる理由です。
なぜ吹き付けではなく、ローラーで塗るのか
外壁を塗る方法には、ローラーで手塗りする方法と、機械で吹き付ける方法があります。土居建装は、基本的にローラーです。
家の吹き付けは、車の塗装などとは違い、材料を多く押し出すので勢いが強く、塗料がかなり飛び散ります。隣の家や車に飛ぶリスクが大きく、職人の体にも良くありません。それに、手塗りのほうが、隅まで丁寧に仕上げられます。どうしても吹き付けでないと塗れない壁のときだけ、吹き付けにします。
| 中身 | |
|---|---|
| 順番 | 上から下へ。軒天井と同じで、上から仕上げる |
| 乾燥 | 1回塗るごとに、最低4時間から翌日まで乾かす。乾く前に重ねると、塗膜の中に湿気が残る |
| 1回あたり | 人数で変わるが2〜10時間 |
| 外壁全体 | 下塗りから上塗りまで、早くて2〜3日 |
| 中塗りと上塗りの色 | 塗料の仕様による。同じ材料で2回塗るものも、中塗りと上塗りで材料が違うものもある |
| 気をつけること | ムラなく均一に。塗り残しがないように。 塗膜の厚みが均一でないと、薄いところから先に傷む |
土居建装の場合
塗料の缶数は、日本ペイントの注文画面に外壁の塗り面積(㎡)を入れると自動で計算されます。土居建装は、その計算どおりの缶数で発注します。発注した缶数と塗った面積が合っていれば、メーカーの「グッジョブ保証」が付く仕組みです。日本ペイントが認めた施工店だけが受けられる、メーカーの保証です。つまり、塗料を薄めて缶数を減らすような施工はできません。下塗り・中塗り・上塗りの3工程すべて、写真を撮ってお渡しします。
外壁の塗料は水性なので、においは比較的弱いです。ただ、同じ時期に塗る付帯部や屋根は溶剤系の塗料が多く、揮発しやすいので、そのにおいがお家の中に入ることがあります。塗装中は窓を閉めておいてください。
工程8 屋根の点検・補修
屋根を塗る前に、屋根の上に上がって点検します。足場があるときにしか見られない場所なので、隅々まで見ます。見るのは、瓦のズレ、棟板金(屋根のてっぺんの金属の板)の釘が浮いていないか、雨漏りの跡がないか。
| 見つかったもの | やること |
|---|---|
| 棟板金の釘の浮き | 古い釘のままにせず、新しいステンレスのビスで打ち直す。ステンレスなら錆びて抜けてこない |
| コーキングの切れ | 棟板金の継ぎ目や、板金まわりのコーキングを打ち直す。雨漏りを止めるのと、板金を固定するため |
補修をせずに塗るとどうなるか。ひびは、ひびのまま塗ることになります。塗料でふさがったように見えても、ひびは残っています。棟板金の釘が浮いたままだと、風が強い日に板金ごと飛んでいく恐れがあります。コーキングが切れたままだと、そこから雨が入ります。塗装は、傷んだところを直してから。かかる時間は、屋根の状態で3時間から2日です。
工程9 屋根塗装
点検と補修が終わったら、屋根を塗ります。屋根は家の中で一番、日と雨に当たる場所です。外壁と同じかそれ以上に、下地と乾燥が大事です。
下塗り
屋根の下塗りは、傷んだ屋根の表面を固めて、上塗りとの密着を高めるためのものです。土居建装では、たっぷり塗って、下地を固めるイメージで塗ります。屋根の傷みが強いときは、下塗りを2回塗ってから中塗り・上塗りに進むこともあります(計4回)。
縁切り(タスペーサー)
スレート屋根は、板が重なってできています。塗料で重なりの隙間がくっついてしまうと、屋根の中に入った雨水や湿気の逃げ道がなくなり、屋根が内側から傷みます。そこで、重なりに「タスペーサー」という小さな部品を差し込んで、隙間を確保することがあります。ただし、これは現場で見て、触って判断します。スレートがくっついて湿気が逃げなさそうなら入れる。隙間が十分あるなら、入れないこともあります。
| 中身 | |
|---|---|
| 回数 | 下塗り・中塗り・上塗りの3回が基本。下地の状態で4回になることもある |
| 乾燥 | 屋根は外壁より乾燥に時間をかける。塗料ごとに決められた乾燥時間を必ず守る |
| 順番 | 外壁のあとに塗ることが多いが、家によっては屋根を先に塗ることもある |
| 気をつけること | 塗りながら、傷んでいる箇所がないかをもう一度見る。点検で見落としたものは、塗っているときに見つかる |
土居建装の場合
最近の現場では、下塗りに遮熱用の「サーモアイシーラー」、上塗りに「グランセラベスト」(どちらも日本ペイント)を使っています。屋根の塗料は、屋根の材質と傷み方で変えます。
屋根の塗料は溶剤系のしっかりしたものなので、においがします。窓は閉めておいてください。また、屋根の上に乗って作業するので、天井から足音がします。
工程10 付帯部の塗装
外壁と屋根が終わったら、最後に付帯部(ふたいぶ)を仕上げます。付帯部とは、外壁・屋根以外の、外に出ている部分のことです。
| 標準で塗るところ | オプション |
|---|---|
| 雨樋、破風、雨戸、水切り、シャッターボックス、板金のフード、小庇(こびさし)、格子 | エアコンのカバー、アルミ製品など |
付帯部は、雨樋は塩ビ、破風は木や窯業系、雨戸や水切りは鉄と、材質がバラバラです。土居建装では、その材質に合う塗料に全部変えて塗ります。一律に同じ塗料で塗ると、材質によっては数年ではがれます。塗る前の下処理も材質で変わります。雨樋は、表面がつるつるで塗料がのりにくいので、ケレンで目荒らしをしてから塗ります。金属の金具は、サビ止めを塗ってから上塗りです。
付帯部の色は、お好みで変えられます。ただ、一番多いのは、今ついている色と同じ系統でそろえることです。全体の雰囲気を変えずに、きれいになります。
付帯部は細かい部材が多いので、塗る前に1つ1つ傷み具合を確認して、必要なところは補修してから塗ります。塗るときは均一に。塗る回数や時間は、部材・塗り方・塗料によって変わります。
工程11 最終確認・是正
塗装が終わったら、足場に上がって全体を見て回ります。塗り残し、ムラ、マスキングテープの跡、ゴミの付着、ラインがきれいに出ているか。気になるところは全部直します。
じつは確認は、塗り終わってからだけではありません。上塗りをしている最中も、ずっとチェックしながら回っています。最後の確認は、その総仕上げです。養生は、上塗りが乾いてからはがします。乾く前にはがすと、テープと一緒に塗膜がめくれることがあります。
お客様も一緒に見てください
最終確認は、お客様にも一緒に見ていただいて大丈夫です。ただ、足場の上は階段が付けられない箇所もあって危ないので、窓や玄関まわりから見ていただく形になります。気になるところがあれば、この時点で言ってください。足場があるうちなら、すぐ直せます。
工程12 足場の解体・引渡し
足場の解体は、足場屋さんにお願いします。組んだときと同じで、金属の音が出ます。解体の日は車の移動をお願いすることがありますが、お客様の立ち会いは要りません。
足場が取れたら、もう一度、地上から全体をチェックします。足場があるときには見えなかった角度から見て、直すところや問題がないかを確認してから、お引渡しです。
土居建装の場合
お引渡しのときに、工事中の写真(各工程)、自社保証書、メンテナンス計画表、アフターサービスのご案内をお渡しします。メーカーのグッジョブ保証は、後日メーカーから直接届きます。
まとめ
「うちの家の場合、何日くらいかかるか知りたい」「見積書の工程が、この記事と違う気がする」という方は、家の写真や見積書を送ってください。大きさと状態から、おおよその工期と、工程の中身をお伝えします。
無料相談・無料お見積もりはこちら
写真を送っていただくだけでも、おおよその状態と費用感をお答えします。
しつこい営業は一切しません。
※営業電話は一切お断りしています。個人のお客様のみ、お見積もり無料です。
メールで問い合わせるdoikenso305@gmail.com一級塗装技能士・足場作業主任者・有機溶剤・アスベスト・ハーネス
現場歴20年以上の一級塗装技能士。現地調査から足場・塗装・引渡し後の点検まで、すべて自分の手で行っています。「見えないところほど丁寧に」が信条です。
© 土居建装 大阪府堺市美原区平尾2509-5